月とオレンジ 5

195 結婚 ページ2

ニカ「それ

美紀さんが買ってきたやつなんじゃ……





結婚迫られてるって

この前言ってたじゃないですか。」








ほろ酔いの……

いや、わりとできあがってるニカちゃんが

みっくんにつっこんだ








ニカ「宏光さん、プロポーズするんでしょ？」








美紀さんを好きなニカちゃんが

半ばヤケクソな質問








玉森「え、そうなの？」






宮田「結婚！？いいなー。」







口々に言われて







みつ「いやいや//ちょっと待てって/」






って慌ててる






萌「私も早く結婚したい！」







もうみんなノリノリなのを聞いて






みつ「おい//二階堂！」






って、タジタジ







二階堂「だってこの前、指輪探してるって……」







って言うと

「いい加減にしろー//」って、口を塞いだ







結婚……みっくんが……美紀さんと









え……嘘でしょ








社会人になって、ましてや大学から

付き合ってるふたりなら

いずれそんな流れになるかもしれないって

思ってた








でもそれはもっと先のことで






え……プロポーズ？……指輪？








みっくんに手渡された冊子には

ウェディングドレスを着た

綺麗な花嫁さんの写真







待って……え









頭の中が真っ白になった







でも、そんな姿をみんなの前で

見せるわけにはいかなくて








必死につくろうけど、私今どんな顔してる？







一瞬、藤ヶ谷先輩の顔が浮かんだ









藤ヶ谷先輩はこんな気持ちなんだ






いや、きっともっとしんどい







それから、みんなは話をしていたけれど

話の内容なんて全然入ってこなくて







ただ時間が過ぎてこの会が

お開きになるのを待った









店の前でみんなと別れて

みっくんとふたり電車に乗り込む








何を話したらいいのか








二人きりがこんなに苦しいと思ったのは

初めてかもしれない








みっくんと少し間をとって座る






私と君の距離

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