月とオレンジ 4

151 じゃなかったら ページ5

……。






藤「ねぇ。」







……？







藤「もしもさ……。





もしも……

俺が、Aちゃんが言う

ジェントルマンじゃなかったら……。






嫌いになる？……俺のこと。」







え……







真っ直ぐに私を見つめる瞳はすごく真剣で……

なんか、吸い込まれてしまいそうな








でも、先輩の言葉の意図が全く詠めない







ジェントルマンじゃなかったら……って








先輩の寂しげな表情と

今までの言葉を結びつけていく







……。






……。








でも、どういう意味なのか





何も答えられないでいると







藤「あ、違うよ？//





ジェントルマンじゃないってのは

ここでAちゃんに手を出すとか……

そういうんじゃなくて//」







って、少し慌てて訂正する






……？







私に手を出す？






一瞬分からなかったけど、さっきの会話









藤ヶ谷先輩はジェントルマンだから

一緒の部屋で寝ても安心だって……








あ//え！？//








なんかよく分からないけど

変な想像が頭の中を駆け巡る//







藤ヶ谷先輩と私が……そういう








いやいや、そこじゃないって先輩は//








訳がわからないまま

余計になんて返せばいいか戸惑っていると









藤「ごめん//

なんか変なんなっちゃったよね//






ごめん//そういうつもりじゃなくて//






いや、そういうって……

どういうって感じだけど//」






って、シドロモドロになる先輩







いつも冷静で穏やかな先輩が

顔を赤くしてすごく慌ててる







その姿がなんだか可愛くて

思わず笑ってしまうと

また耳まで真っ赤にした








「大丈夫です。大丈夫です。



先輩が私とどうこうとか……

あり得ませんから//」








言葉の真意は分からなかったけど

今先輩が言わんとしていることは伝わった







「でも……ジェントルマンじゃないって……」







どういう意味ですか？




って、聞こうとしたとき







トントン








って、ドアを叩く音がして、同時に







ガチャ









「ねぇねぇ、Aー。

俺の携帯の充電器知らなーい？





お前の荷物に混ざってるとか……」







って、返事もしてないのに入ってくるのは







ジャージ姿のみっくん








「みっくん//ちょっと//




まだ返事してないじゃん！






いきなり入って来たら

ノックの意味ないし//」

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