嘘つきな僕ら 26

1197 Tsaid 知らなかったのは俺の方 ページ3

裕太said





途中、何度も迷いながら

自分が知っているすべてをAに打ち明けた






……。





……。








この２ヶ月、本当のことを知りながら

このことを黙っていた俺を








君はどう思うだろう





顔を上げられない俺を、沈黙が包み込む









A「そっか。








でも……ごめん。







私も嘘ついてた。」









頭のてっぺんに落とされた言葉に

思わず顔を上げた







嘘って……









A「私……知ってたの。」








振り絞るような声






知ってた……








A「……太輔のこと。





１週間前、葵さん呼び出されて……

そのとき。」








Aは、ガヤが別れたことも知っていた







なら……やっぱり……

昨日、帰って来なかったのは









……今も……ガヤが好きだから









点と点が繋がって、薄い線が見えてきた







その想いが核心に近づく頃








A「……裕太君のことも。」








俺のこと……




彼女が発した言葉に思わず凍りついた






俺のことって……それは、つまり……








A「裕太君が……

本当のこと知ってるって。





それも先週……」








葵さんにガヤのことを打ち明けられた日に……








何も知らなかったのは俺の方



Aはすべてを知っていた








知っていたのに……







「どうして……俺に確かめなかったの？」



本当のこと、知ってるんでしょ？って








A「どうして……か。





確かめようと思ったよ。




でも……確かめるのが怖かったの。」







……。








「ガヤには……聞いた？」







本当のこと……ガヤの口から






そう聞くと、静かに首を横に振った







「どうして……」








だって……Aから話をすれば

きっとガヤだって……







二人は……きっと今頃









次から次へと明らかになっていく真実に



彼女の意図が汲めない







本当のことをガヤに確かめられたはずなのに……

どうして確かめないでいるのか







どうしてずっと黙っていた俺を責めないのか





確かめるのが怖かったって……









A「私の中で太輔は酷い人だった。




最後まで酷い人。






でも、裕太君は……いつだって優しかった。

出会ったときから、今まで。」







……。

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