嘘つきな僕ら 23

1060 何でもない関係 ページ11

太輔「あー、もー//

いいんだよ！１回で！//」





って、恥ずかしそうに髪に触る






いつもの癖(笑)




それを見てまた笑った








太輔「よかった。」



よかった？








太輔「すげー暗い顔してたからさ。

玉と喧嘩でもしたのかなーって。」







優しく笑いかける





私のこと、やっぱり気遣ってくれてたんだ








「実はね……良亮君のこと

裕太君には話せてなかったんだけど

ちゃんと言う前に部屋の前で

鉢合わせちゃって……。






太輔が居るってことも自分からは

言えなかったし。」









太輔「……そうだったんだ。




んー。良亮とは前から

面識あったんだもんね？」







まさかホテルに行こうとしたとは

言えなかったけど、その問いかけに頷いた








太輔「でも、大丈夫だよ。





玉、優しいからちゃんと話せば

きっと分かってくれるし……。





それに、俺のことは……別に何でもないし。」








……。







太輔が裕太君と私の関係をフォローして

くれようとしてるのに、なんでだろ







変な気持ちになる









『俺のことは……別に何でもない……』








「……そうだよね。」








太輔の言う通りだった







やっぱり……ちゃんと話さなくちゃいけない


でも、何を……どうやって






胸の中のモヤモヤは太輔に会って

より一層濃くなった









太輔「戻ろうか。送ってく。」








そう促されて、民宿までの道のりを

二人で並んで歩いた








重い重い気持ちを抱えながら







私は……何を思ってるんだろう








部屋に戻って、裕太君に電話する







……出てくれるわけ無いか……









きちんと話をしなくちゃいけない








なのに……私は彼に会って






何て言おうと思ってるんだろう

1061 うちあげ準備→←1059 流れ星

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す