月とオレンジ 2

66 藤北玉 ページ18

玉「俺、

サッカーやってたんだけど

北山先輩は同じ部活の先輩で

10番背負ってたのよ。」






10番……チームの司令塔でキャプテン






へーって、頷きながら聞いてる宮田先輩






玉「あ、Aちゃん、

幼馴染みだったよね？」






って、私に振るから








「うん//

北山先輩は私の幼馴染みで……//





んー、ほどよくチャラくて

でも硬派で熱くて……//





なんていうか……」






一言では言い表せない





私の話を聞きながら

チャラいかって笑う藤ヶ谷先輩と玉森君








萌「あ、思い出した！

お花見のとき、近くに居たよね！？





小動物系のかわいい感じの……」






「あ、そうそう！」






萌えちゃんもあのとき会ってたんだ







萌「そっかー♪藤北！

高校時代の先輩、見てみたかったなー♪」







って言う萌ちゃんと







俺だけ知らないよーっていう宮田先輩







玉「もう本当

ふたりともすごい人気だったよー」





って他人事みたいに言うから








「玉森君も、相当モテてたけどね。

特に後輩から」



って振ってみる








玉「いやいや(笑)

藤北ペアが卒業して

みんな寂しかっただけだよー」






ないないって








高校3年間、同じクラスに居た私たち






玉森君は入学当初から女の先輩たちに

注目されていたけど

藤北が卒業すると人気が爆発し

玉森君目当てで

入学してくる女の子さえいた

という噂がたつぐらいだ








本人は全然自覚してないみたいだったけど

体育祭などでは玉森君が何かすれば

黄色い悲鳴があがる感じだった






それを話すと






宮田「玉すげーな！」







萌「玉森さんの高校時代も見てみたーい♪」






って、口々に言われ







やめてやめてと困ったように笑う






そんな中、「玉森君すごいねー」





って、こちらも他人事な藤ヶ谷先輩






そんな藤ヶ谷先輩の伝説を披露する玉森君






宮田先輩と萌ちゃんを巻き込みながら

昔話に花が咲く







しばらくして、完全にできあがってしまった

宮田先輩とそれを懐抱する藤ヶ谷先輩







あれ……萌ちゃん、大丈夫かな







って、席をしばらく外していた彼女を探しに

トイレへ






すると

フロアの隅で萌ちゃんと玉森君が

なにやら話している







これはなんか行っちゃいけないかも

って感じて戻ろうとしたとき







藤「大丈夫？」




って、後ろから話しかけられた

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