月とオレンジ 2

74 許されない ページ26

ズバリ言い当てられて

動揺が顔に出そうになる







「……好き……です//





でも、それは……幼馴染みとしてっていうか……

お兄ちゃんっていうか……//」







って、言いながらドギマギしてる








だって、やっぱり見透かされてる

そんな気がするから







美紀「そっか//なら、よかった//

なんかふたりって本当に仲良さそうだから」








「そんなこと……美紀さんの方が……」







大事にされてる……のは当たり前







美紀「これからもよろしくね！宏光のこと。」







安心しきった表情で笑う美紀さんに

私も笑顔で頷いた








本当はずっとみっくんが好きなのに

美紀さんが出会う前からずっと






なのに何をよろしくすればいいのか……






でも、完敗だと思った








よろしくなんて言われたら

みっくんに近づけないじゃん







彼女がいる以上、仕方ないんだけど







みっくんと私の間には

目には見えない高い高い壁があるのを感じて






私はただ途方にくれるだけだった








みっくんの傍に居られなかった6年間は

確実に私たちの距離を遠ざけていた








一見何も変わらないように見える

私たちの関係はもうとっくの昔に変わっていて







あの頃の幼馴染みには戻れない





美紀さんの言葉にそう思った






みっくんは美紀さんの恋人





分かりきっていた事実に、脚がすくむ








みっくんが好き






きっとそれさえも……きっと許されない








美紀さんが中に入ってからも

私はしばらくその場を動くことができなかった








30分ぐらいして、バルコニーにやって来たのは

みっくんだった








みつ「あ、こんなとこに居たのかよ！」






私を見つけるなり、大きな声






ずっとみっくんのことを考えていたから

なんか気まずい








みつ「なにしてんの？みんな心配すんだろ。」








なかなか戻らなかった私に

少しだけイライラしてるのが

口調の強さで分かる







「心配……なんて、してないでしょ。」







だって、ずっと私のこと置き去りだったし







みんなの会話に全然ついていけなかった

それなのに、放っておいたじゃんって








みっくんの強い口調に

思わず嫌な返し方をしてしまった








なんか……悲しかったから




今まで当たり前に傍に居てくれたみっくんが

全然知らない人みたいで

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