140 Fsaid プロデューサー ページ46
太輔said
クラブからの帰り道
いつものように葵とタクシーでうちへ向かう
だいぶ飲んだせいかウトウトと眠気に襲われた
Prrr……
静かな車内に携帯のコール音
葵のだ
葵「もしもし……あ、うん。
今……友だちと居ます。
え、今から？……はい。わかりました。
向かいます。」
……？
葵「すみません、停めてください」
タクシー運転手に声をかけた
葵「太輔ごめん。
今から行かなきゃならない用事が
できちゃって……」
「こんな時間から？」
時計は深夜0時を回る頃
葵「うん……プロデューサーに呼ばれたの。
至急で打合せしたいことがあるって……」
プロデューサーって
最近よく話に出てくる奴か
しばらく前から葵によくしてくれている
大手テレビ局のプロデューサー
30代後半で昔はモデルをやっていて
顔もいい容姿端麗な男
若くして出世コースの有力者だ
前に１度、お世話になったことが
あるけどあの容姿に飾らない性格
でも頼りがいがあるその人は
男性からも女性からも支持をうけていた
ただ、ひとつ気にかかるのは彼の恋愛遍歴
結婚はしていないものの、知り合った女優
歌手、アイドル……数々の浮き名を流してきた
こんな時間なのに
今からって……
最近頻繁に連絡を取り合ってるようだから
あらぬことを想像してしまう
「……そっか。」
でも、仕事だと言われれば
そうなんだと思うしかない
超多忙な彼女は俺なんかには
分からない仕事の仕方があるのかもしれない
近くの路地で彼女を下ろした俺は
Aの部屋へ向かうことにした
元々、葵と過ごすつもりだったし……
一人になるのもなんか……
という気持ちだったから
彼女の部屋を訪れると寝る直前だったのか
薄いピンク色のパジャマを着ていた
普段はシンプルな服が多いA……
このパジャマ姿は特別感があって好きだ
部屋に上がってシャワーを借りる
彼女が用意してくれたパジャマに着替えて
リビングへ戻るとAが誰かと
電話で話している
相手は玉……
クラブで会ったときもだけど
電話するほど仲良くなってんのか……
すげーリラックスして笑いながら話している
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作者名：もも
| 作成日時：2017年6月20日 14時
