137 Tsaid ドキドキ ページ43
玉森said
安井と一緒に居たAちゃんの様子を見て
直感的に何かあったんだと思った
彼女の首筋と胸元に見えた赤い痕はきっと……
キスマーク
それに気付いて髪型を直した
そんな痕、きっと誰にも
見られたくないはずだから……
ましてや……ガヤには絶対に
彼女に何があったのか、安井に聞いたのは
愛がかけつけてきたとき
ヤられてなくてよかった……と安堵すると
同時に、彼女にとってそれがどんなに
怖いことだったのかと考えた
こんなことになったのは愛と俺らのせい
ガヤをギャフンと言わせると言っていた愛の
作戦で、普段と全くちがうように
彼女をスタイリングした
イメチェンした彼女にガヤが惚れ直す
というシナリオ
シンプルな彼女の服装は元からわりと
好きだったけど、あまりのイメチェンに
愛の前にも関わらず、
一瞬時が止まったみたいに感じた
あのとき……
ドームで初めて彼女を見つけたときみたいに
内心すげードキドキして
素直になれない思春期の子どもみたいに
そっけなくしてしまった
俺がドキドキしても意味ないのに
彼女を部屋まで送ってきたのは
自分のせいだという負い目から……ただそれだけ
ガヤは彼女に何が起きたか分からずにいたし……
部屋まで送ると「もう少しだけ……」と
頼まれて驚いた
部屋まで送られることさえ躊躇していたし……
今まで何度も彼女と二人で会っていても
お互いに部屋に上がることはなかったから
俺も誘わないし、彼女も誘わない
それはもちろん俺には愛
彼女にはガヤが居るからだ
でも、まぁ……あんなことがあったんだから
無理もないか
ガヤには言いたくないわけだし
今は俺しか居ないし
部屋に入るとリビングに通された
白を基調としたナチュラルな雰囲気の部屋
部屋を見渡すと俺があげた黄色いベアが
本や雑誌の置かれている棚に
相変わらず図々しく座っている(笑)
大事にされてんだよね
ガヤの手前……置いてなくてもいいはずなのに
いや……でも、まぁ考えすぎか
別に俺ら特別な関係じゃないわけだし……
しばらくすると
だいぶ落ち着いたのか少しずつ笑顔が戻った
深夜0時を過ぎる頃
安井から連絡があった
その時の不安気な顔
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作者名：もも
| 作成日時：2017年6月20日 14時
