133 少しだけ ページ39
ヤバ……
バッと手を離す
太「……。」
私の手に視線を落とした表情が何か言いたげだ
玉「じゃあ、行くわ。」
私の手を掴んでい出口へ向かった
外に待たせていた車の後部座席に乗り込む
玉「その服、寒いんじゃない？」
そう言うと着ていたシャツを肩から
かけようとする
ビクっ……
無意識に体が震えた
玉森さんなんだから……大丈夫なのに……
玉「……ごめんな。」
……？
玉「ごめん……
愛がやっぱり余計なことしたよな。」
あ、愛ちゃんのこと……この服のことか
「いえ……。
でも、やっぱり似合わないですよね」
こんな可愛い服
玉「なんで……そんなことないよ。」
少しだけテンションが低い
いつも優しい玉森さんだけど…
だからこそ、返答に困っているのが分かった
そうこうしてるうちにマンションに着いた
「ありがとうございました。」
そう言って降りようとすると
玉「部屋まで送る。」
今まではいつもエントランスまでだったのに……
「大丈夫です！本当に！もう上がるだけだし」
玉「……いいから、送るって。
また何かあったら困る」
……またって言った
さっきのこと……知ってる？
それから会話のないまま部屋の前まで着いた
玉「じゃあ、ゆっくり休んで。」
そう言って戻ろうとする
……。
……。
「あの！
……少しだけ、上がっていきませんか？」
自分でも驚くような発言に玉森さんは
もっと驚いた表情をしたけど、すぐに元に戻る
玉「……じゃあ。少しだけ。」
そう言う玉森さんを部屋に上げた
早く彼から離れたいって思ってたのに
思わず声をかけてしまったのは
ただ単純に一人になるのが急に怖くなったから
それに、さっきの口ぶりから彼は
私にあったことを知っている……そう思った
でも、何も聞かない玉森さんに
私は甘えていたんだと思う
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作者名：もも
| 作成日時：2017年6月20日 14時
