117 Tsaid 絶対ダメ！ ページ22
玉森said
愛は素直だ……
嬉しいことも悲しいことも
顔を見れば分かってしまう
ブリッコだとか言われることも多いけど
俺はそんなとこもかわいいと思っていた
……あ、そう
Aちゃんて愛に似てるんだ
だからか……緊張しないで話せるのか？
愛「Aちゃん見てると
太ちゃんのことが大好きなんだな〜♪って
なるよねー。
いっつも太ちゃんのこと目で追ってるし(笑)」
確かに……いつも彼女の視線の先にはガヤが居た
東京ドームで彼女を見つけたあの瞬間も
彼女の様子や言葉から、
ガヤを好きで好きでたまらないのは
俺もよく分かっていた
でも……ガヤは……
ふと過る彼女の笑顔
……。
……。
愛「でもさ……裕太」
さっきまでのテンションとは違い
おちついたトーンだ
……？
愛「……太ちゃんって……彼女居たじゃん？
えっと……葵さん？
今はその……別れてAちゃんと
付き合ってるんだよね？」
いつになく真剣な表情の愛
……それは……なんて言うか……
葵さんとは別れてる……
そう嘘をつくべきなのか
分からない……と濁すのか……
実はまだ付き合ってるんだ……って
真実を打ち明けるべきなのか
一瞬の間に３つの選択肢が同時に頭の中を
駆け巡った
……で、俺が選んだのは３つ目
愛には真実を打ち明けること
愛「え！？何で！？どういうこと！？
そんなの太ちゃん、最低じゃん！
そんなのダメだよ！」
真相を伝えたとたんに
すごい剣幕で怒りだした
愛「ダメ！絶対ダメ！
私、太ちゃんに一言言ってくるから！」
お酒が入っているせいもあって
威勢よく立ち上がってガヤのもとへ
行こうとする
「ちょっ！ちょっと待って！」
その腕をつかんでひき止めた
睨むように俺を見る
正義感だけは昔から強い愛
他人のことにまで正論をつきつけたがる
ところは平和主義の俺とは正反対で
少しやっかいだった
それでも愛に話しておこうと思ったのは
自分だけ真実を知っていて黙っている……
という重みに耐えかねていたからかもしれない
メンバーはAちゃんと接点が
あまりないせいかみんな我関せずだから……
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作者名：もも
| 作成日時：2017年6月20日 14時
