嘘つきな僕ら 2

54 夢のような現実 ページ6

彼らの経歴や過去の心境を知れば知るほど

アイドルなんて名前とは正反対に

人間くさくて泥まみれで……






悩みながらもがく姿が自分と重なって

この人たちを応援したい……

そんな気持ちになった









デビューしてからは

ザ、ジャニーズ！というような

爽やかアイドルに転身したけれど





彼の言葉や行動はどれをとっても真面目で

誠実に思えて、影の努力が見え隠れする







そんな彼から目が離せなかった









そして今、夢のような現実がここにある







もしも太輔が自分の友達だったら……

欲を言って、もしも彼氏だったら……









何度も何度も想像していた

そんな現実がここにある








もしも、これが夢でもいい

どうか覚めないで……








一人の時はたまに

そんなことを思ってしまうんだ









太輔「ん？」







こちらを見て優しく言う







昔のことを思い出したら

まるでテレビの中の彼を見るように

じっと見つめてしまっていた









太輔「明日は、仕事？」









「……うん。でも、まだ大丈夫だよ！」








せっかく会えたのに気を遣われて

帰ってしまうのが寂しかった









太輔「そっかー。

うーん。

俺さ、明日遅いんだよね……。






でもAが仕事だとな……」








残念そうに言う







帰っちゃうのかな……

やっと会えたばかりなのに……








まだ、ここに居て……







無意識に彼の腕に触れた








太「……寂しい？」







「……うん。」








その問いかけに小さく頷く








太「……もっと一緒に居たい？」







「……うん。」








太「……じゃあ、今日泊まってもいい？」








「………うん。」








……。








……。









「……え！？///」









付き合って１ヶ月

週に1度は時間をつくって会いに来てくれる太輔

でも、家に泊まっていくことはなかった









つまり、初めて会ったその日にしてしまって

以来、意識がある中ではしたことがなかった








初めてのキス

初めてのイチャイチャ

初めての……///

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