28 お兄ちゃん ページ29
コンビニに入ると
アイスのケースの前で話す私たち
バニラアイスを手にとったみっくん
「好きだね。バニラ(笑)
やっぱりチョコかいちごかなー。」
子どもの頃からそうだった
みんながチョコとかストロベリーを選ぶ中
みっくんが選ぶのはいつもバニラ
「よし。いちごにする！
あ、でもなー……」
早々に決めてしまった彼は
優柔不断な私を呆れたように待っている
……。
どっちがいいかなー……
みつ「やっぱりやめた。俺これにする。
お前はこれでいいよな？」
持っていたバニラをケースに戻すと
私が悩んでいたふたつを手にとった
ツカツカとレジに進むとチャッチャと
支払いを済ませて外に出る
みつ「はい。」
渡されたのはストロベリー
みっくんが封を開けたのはチョコ
「バニラじゃなくてよかったの？」
みつ「ん？
だってお前
ふたつとも食べたかったんだろ？」
って、当然のように言うと
みつ「ん。」
一口食べたアイスを私の口元に差し出した
……//
私が戸惑っていると
みつ「それも一口ちょーだい。」
って、私のストロベリーをパクリ
みつ「ん、うまい♪
食べねーの？チョコ。
全部、食っちゃうよ？」
って急かされて
ダメ！ってチョコアイスに口をつけた
間接キス//
って、中学生か！私は//
自分でも嫌になる程の経験不足
みっくんは……
みつ「行こうぜー。」
って、全然気にするわけないか
アイス片手に歩き出したみっくんの後ろを
小走りで追う
みっくん、私が迷ってたから
チョコにしてくれたんだ
昔からそういう人
アイスだけじゃない
ジュースにしろファミレスにしろ
私が迷っているといつも片方を頼んで
分けっこしてくれた
本当は自分にもこだわりがあるのに
いつもいつも
なんだかんだ優しくて
なんだかんだお兄ちゃん
お兄ちゃん……か
みつ「もうすぐだなー。」
コンビニからの帰り道
駅に行き来するときいつも通る坂道
桜の蕾がはち切れんばかりに膨らんでいた
「本当だ。週末あたり満開になるかな。」
みつ「なるといいけど、うちの会社
今週末花見なんだよねー」
って、言いながら桜の木を見上げている
お花見か……
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)私自身が切ないのが好きで…現実にはきついですが、物語なので(￣∇￣*)ゞこれからも気長にお付き合いください(*^^*) (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 新作、嬉しいです。ももさんの作品は切ないものが多いですが、とても大好きです。今回は最初からもう、切なくて・・・今後も楽しみにしていますね。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月5日 0時
