7 藤ヶ谷先輩 ページ8
引っ越しが
一段落した翌日
大手企業に就職することが
決まっていた私の初めての出勤日
都内の大きなホールを貸しきっての入社式に
私はただ圧倒されていた
みんな黒いスーツに身を包み
黙って開式のときを待っている
なんだか宗教めいたものさえ
感じてしまうのは、私が初めて
社会に出るからなんだろう
と、必死に緊張を落ち着けていると
「どこの部署なんですか？」
と、隣に座った女の子に話しかけられた
みんなと同じ黒いスーツにまとめ髪
でも、和やかに微笑むから
なんだか可愛らしい子だなって
「えっと……広報部です。」
戸惑いながら返すと
「え、嘘！？私もです！
広報部って、どれぐらい同期が居るんだろー。
でも、なんか運命みたいですね♪」
ニコって微笑む彼女は、やっぱり可愛い
新入社員……つまり、私の同期ということは
歳も同じぐらいだろうか
でも、終始緊張してる私なんかより
ずっとリラックスしているような気がする
会社には20程の部署があって
このホールに居る人数を各部署に振り分ける
となると、同じ部署に配属されるのは
多くても5人といったところだろうか
そう考えれば、私と彼女の出会いは
運命なのかもしれない
「私、Aです。
あの……お名前は……」
「萌です。
よろしくね。Aちゃん♪
あ、さん……かな//」
Aちゃん……か
照れたように挨拶してくれる萌さん
なんだか親近感
「ちゃんでいいよ。
よろしくね。萌ちゃん。」
そう返すとにっこり微笑んだ
入社式が始まると、社長、副社長、会社役員……
など、偉そうな肩書きの人たちの
祝辞が延々と続く
はじめこそ、熱心に聞いてみたものの
徐々にうんざりしてきていた
そんな頃、先輩からの仕事の体験談と
アドバイスと称して短い講話が始まった
「みなさん、ご入社おめでとうございます。
僕は、現在広報部で
３年目の藤ヶ谷太輔と申します。」
聞き覚えのある名前に
手元の資料に落としていた視線を持ち上げた
あれ、あの人……
萌「広報部だって。同じ部署の先輩だね。」
萌ちゃんが言うその人は……
そうだ！思い出した！
私が高校１年のときに３年生だった
当時はバスケ部の主将で
女の子たちからすごく人気があった人
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もも(プロフ) - ミィさん» コメントありがとうございます☆そう言って頂けてとても嬉しいです(^^)私自身が切ないのが好きで…現実にはきついですが、物語なので(￣∇￣*)ゞこれからも気長にお付き合いください(*^^*) (2019年5月6日 21時) (
レス) id: 0e833b3ebd (このIDを非表示/違反報告)
ミィ(プロフ) - 新作、嬉しいです。ももさんの作品は切ないものが多いですが、とても大好きです。今回は最初からもう、切なくて・・・今後も楽しみにしていますね。 (2019年5月6日 17時) (レス) id: 1dbee522b3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：もも
| 作成日時：2019年5月5日 0時
