【HAIKYU】守りたいもの､大切なもの～失いたくないから【青葉城西/音駒】 (ページ17)

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＊168 守りたいもの 17 ページ17

～及川side～

有香ちゃんと音駒のリベロの夜久くんが行方不明になって､音駒のみんなは二人を必死に探し回っていた｡

俺は気が気じゃなかった｡

有香ちゃんに何かあったら…と思うとゆっくり青城の部屋で待っているのももどかしくて､俺も探しに行こうとした時だった｡

俺のスマホに見慣れない番号から電話があった｡

｢はい､もしもし…？｣

電話の相手は黒尾くんだった｡

夜久くんから連絡があって､有香ちゃんと夜久くんの居場所がわかった､詳しいことは解らないけど､二人は大変な状況に置かれている､二人を助けるために俺にも来てもらいたい…

とのことだった｡

俺は岩ちゃんにその旨を伝え､青城メンバーのことを岩ちゃんに任せると､急いで黒尾くんたちが待っている場所へと向かった｡

黒尾くん､山本くん､灰羽くん､小鹿野くんがいた｡

5人で有香ちゃんと夜久くんがいるという森然高校裏の旧体育倉庫へと急いだ｡

目的地に着くが施錠されていた｡

それは二人が閉じ込められているということを意味していた｡

森然主将の小鹿野くんが鍵を取ってきて､俺たち5人は体育倉庫の中へと入る｡

背筋がざわめく不穏な空気｡

物があちこちにちらばる荒らされたような光景､倒れるように座り込んでいる有香ちゃんと夜久くん､心配そうに有香ちゃんに手を差し出す黒尾くんを怖がる有香ちゃん､声を出せない有香ちゃん…｡

有香ちゃんの身に着けていた衣服が裂かれた状態で床に無造作に捨て置かれていた｡

俺は有香ちゃんの身の上に起こったことを理解した｡

小鹿野くんはともかく､山本くんや灰羽くんはどう思っているのだろうか？…音駒だから有香ちゃんが女の子だということを知っているかもしれないし知らないかもしれない…｡

どっちにしても有香ちゃんに何があったのかわかっただろうか…？

｢黒尾くん…､二人ともケガしてるし病院へ連れて行った方が…｣

俺はどうにかなりそうな中､何とかそう言葉を紡ぐ｡

黒尾くんが有香ちゃんを背負い俺が夜久くんをおぶって小鹿野くんが教えてくれたここから一番近い大きな病院へと向かった｡

ねぇ…､俺のせいだよね…？有香ちゃんがこんなことになったのは…｡

俺の…､せいなんだ…｡

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