PROLOGUE ページ1
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色素の薄い髪。
俺と似た亜麻色だった。
サイドを綺麗に編み込み、後ろで丸く一つにまとめている。
紺色の着物によって白い肌が際立つ。
ふんわりとネモフィラのような柔らかい笑みを浮かべた彼女は、上品で美しい。
一目でその辺の女とは違うと思った。
背筋も良く、全ての動きが絵になる。
似てると思ったのは、雰囲気と髪色。
そこだった。
やわらかい笑顔も、似ていた。
…違うのは、瞳の色だけ。
その、儚げに揺れる藍玉(アクアマリン)は。
___俺と正反対の澄んだ色だ。
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色素の薄い髪。
私と似たミルクティー色だった。
癖一つない、サラサラな若い男の子の髪。
彼が着ている黒い隊服と腰に刺さっている刀から、真選組の隊員であることがわかった。
真選組に似つかわしくない童顔。
いわゆる美少年だ。
その美少年似つかわしくない、服の上からもわかる引き締まった身体。
そして腰に刺さった獲物。
彼の瞳は私と正反対の赤色。
ただの赤色じゃない、深みのある赤色。
瞳の奥は静かに燃えているような気がした。
紅玉(ルビー)のように、綺麗な色だ。
全然違う、はずなのに。
「…姉上?」
姉上と呼ぶのは、その寂しそうな表情は、熱の籠った瞳は。
___似てる。
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たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時