検索窓
今日:4 hit、昨日:8 hit、合計:98,238 hit

STORY19 先延ばしの問題 ページ21

気分転換がてら…と思って出かけていたら、見ちまった。
万事屋の旦那とAさんが、甘味処で仲良く話してるところ。

Aさんがたまに顔を赤らめたり、楽しそうに笑っていたり。
…見たことねー顔してた。


見すぎたのか、旦那と目があう。
こっちを見てにやりと笑った旦那。


__全てを察した。


「ッチ…。」


さっき自覚して諦めたばかりとはいえ、もう旦那のものだったなんて知りゃー舌打ちくらい出る。
旦那のあの全て分かった上みてーな笑みも腹が立つ。
勝ち誇った顔しやがって。

…何より腹が立つのは。


___旦那なら、仕方ねェって思っちまう俺だ。


旦那なら何かあってもちゃんと守ってくれるだろーし、ああ見えて大切にもしてくれるだろう。
普段はマダオだが。


「あっれぇ総一郎クン久しぶりぃ。…どうかしたの?」


考え事をしていたからか、簡単に背後を取られる。
しまった。
いつの間にか店から出てきてたらしい。
…勘に障るニヤついた顔だ。


「旦那、総悟でさァ。…別に、通りがかっただけでィ。」

「へえ。てっきりAが俺に取られたと思って、嫉妬で狂いそうになってるのかと思ったが。」

「っは、あの人はそんなんじゃありやせん。…俺にゃー手に入らねー女でさァ。」


そう、自嘲気味に笑った。

そんなに俺を笑い者にしたいのか旦那は。
俺たちゃドSコンビと呼ばれたりもするが、今回の旦那は鬼畜でィ。
Sは打たれ弱いんだ。


「ま、俺はAみてーに優しくねーから、てめーのこたーどうでもいいんだが…。Aのために、2つだけ伝えてやる。」

「はい?」

「1つ、まず俺とAは別に恋仲じゃねーし、そうなる予定もねーよ。」

「な…。」

「2つ、おめーさんもっとアイツのこと知った方がいいんじゃね? アイツ、あんま弱かねーぞ。…いろいろと。」

「え、ちょっと待っ…。」

「じゃあな、総一郎クン。」

「ッオイ、旦那!?」


旦那の見透かした言葉に目を見開く。
…旦那が何を知ってるって言うんでィ。
もっと知れって…何を。

いろいろ。
旦那の言葉に含みを感じたのは気のせいか。


「相手は旦那じゃ、なかったのかィ。」


今はただそれだけで安堵する。
旦那はなんだかんだで甘ェ男だな。
何が優しくねーから2つだけ、だ。
…十分だ。


だが問題が先延ばしになっただけなのも、わかってらァ。
今回は違ったが、いつかきっと彼女は他の男の___。

…やめだ。
俺のもんにはならねーんだ。

STORY20 お誘い→←STORY18 お悩み解決



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (62 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
194人がお気に入り
設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 団子屋   
作品ジャンル:アニメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

たいる(プロフ) - わかさん» こっちにもコメントくださってたんですね!笑ありがとうございます。笑っていただけて良かったです笑笑 (2021年7月11日 17時) (レス) id: 14bca84003 (このIDを非表示/違反報告)
わか - ミョウバンは笑った!!笑笑 (2021年7月7日 21時) (レス) id: 44294a6bf9 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たいる | 作成日時:2021年1月8日 0時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。