愛のモノローグ (ページ36)

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先生に言われるがままページ36

『かわいい…』

先生にいきなり連れてこられたお店はショーウィンドウで見たと通りの好みだった。

大人っぽい雰囲気で、一枚で切れば変わったデザインが人目を引く。

ゴワゴワ派手なデザインじゃないから、誰でも手をつけやすいものだった。

藤「A、好きそうだね。」

『わっ、先生、』

お店に入った途端に奥の方にいってしまったから、泣く泣く一人でみていたものの、急に声をかけられて、驚く。

『でも、私には大人っぽいかなって…』

どこをどう見たって可愛くて、私には似合わないワンピースみたいなトレンチコートのような、チェック柄の入ったもの。

藤「いいじゃん。着てみなよ。」

『でも…』

藤「いいから、いいから。いくら着たってタダなんだから。」

少年の眼差しをした先生が私の背中を押して更衣室まで、送り届ける。

藤「はい。着替えてらっしゃい。」

『……。』

藤「一人じゃ、着替えれない？よし、俺が手伝ってあげる。」

真顔で入ってくる先生をなんとか、くいとめて、更衣室に一人で閉じこもる。

先生に触れられた、背中とか、手が熱くなっていく。

着替え終わるまでに、赤いの抜けるかな。

鏡に写る私に薄い願いをしたけど、この後、この鏡のせいで、もっと嫌になるとは思わなかった。