愛のモノローグ (ページ20)

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笑顔の似合わない男。ページ20

「あっ、俺もそれ気になる！」

突然の声に驚き、

声に視線を飛ばせば

そこには興味津々の裕太が。

裕「A、俺には教えてくれないから、

この機会に聞きたい！」

この機会ってどの機会？

裕太にはこの手の話を

よく聞かれていた。

自分のことを話すのは、

好きじゃないから、

なんとなく誤魔化してきた。

でも、こんなにキラキラの目を向けられ、

まっすぐに見つめられると困る。

嗚呼、裕太のモテる意味がわかったわ、、、、

藤「だーめ。この質問を聞けるのは俺しかいないの。」

私から出てこない言葉から

感じとったのか、

先生の言葉が助けてくれる。

「斎藤が、解ける問題を作った俺だけが聞ける、俺だけの特権なんだよ」

意味のわからない主張。

だけど少し、心が音をたてて跳ねる。

裕「意味わかんなぁーい」

確かにそのとおりだ。

“まだまだこどもだな。”鼻で笑ってる先生だけど、

その言い方は、先生も子供だと思う。

『そう言えば、裕太授業は?』

早く話題をそらしたくて、違う話題をふる。

藤「斎藤、話題をそらすんじゃないよ。」

“俺はまだ質問の答え聞けてないんだから”

まだいってる先生。

裕「えーなんか、“Aのとこいきたいな～”って思いながら先生見てたら、解放してくれた。」

チラッと裕太の担当の先生の方見たら、ニコッとしてくる。

うわぁ、絶対裕太にしてるじゃん。

どんなことして、あそこまで夢中に、

藤「お前、どんな色目使ったんだよ。」

私と思ったことは同じらしく、

先生が若干引きぎみで聞く。

裕「え～とね、、、忘れた！」

くしゃくしゃの笑顔で答える。

覚えてたら怖いけど、

きっとこの笑顔に持って行かれたんだろうな。

付き合いが長い私でもわかる。

藤「ふっ。若いっていいねぇ。」

藤「この年になると、笑顔だけで、落とすのも無理が出てくるんだよね。」

『そんなことなんと思いますよ。』

藤「えっ、どういう

________キーンコーンカーンコーン

先生の言葉と被せるチャイム。

裕「あぁ～、終わった終わった。」

一番に裕太が声を出す。

裕「ねぇ、Aスーパーいくよ。」

『なんで？』

裕「ん？まみーがご飯自分で食べろって。」

___ガタッ

藤「俺も行く！」

「「えっ？」」