愛のモノローグ (ページ15)

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初めて生まれた信頼ページ15

_______ガチャ

車の開く音で目が覚める。

藤「おっ、起きたか。」

ふんわりと笑う先生。

『あ、私、

藤「ココアでも飲む？」

わざと被せるように話す先生。

藤「少しは、落ち着くかも。」

さっき買ってきたのだろう。まだ湯気が立ち上っている。

『、、いたたぎます。』

私の視界の隅に入ってくるコーヒー。

私のために買ってきたのだろうココアを断るのは気が引ける。

､、、、、美味しい。

藤「A、家どこ?送っていく。」

『もう、大丈夫ですので』

藤「こんな、暗い中女の子一人歩かせられない。」

『でも、、』

藤「俺がしたいの、、、、さっきのことも気になってるから。」

藤「辛いかもだけど聞いてもいい?」

暫しの沈黙が生まれ、その空気を消していくように先生が口を開ける。

藤「さっきみたいなヤツに絡まれること、初めてじゃないの?」

『、、、何度かあります。』

藤「誰かに相談してみた?」

『そんなにひどくなかったので、、』

藤「酷いとか酷くないとかじゃなくて、早いうちに解決しないとでしょ。」

『、、、はい。』

先生の言う通りだ。早く誰かに相談すればよかったんだ。

、、、、誰かって誰だろう。

親に相談したって、軽くあしらわれるだけだ。

葵に相談して、迷惑かけたくない。

裕太に言ったら、絶対大事になる。

藤「ほーら。そうやって一人で抱えこるでる。」

先生はぺちんと怒るようにでも心配するようにして頭を軽く叩く。

『相談できるような相手いなくて、』

藤「友達は?」

最初に“ご両親は？”と聞かれると思ったけど、先生は何となく私達家計のことを理解してくれるのかも知れない。

先生の心配そうな目に視線だけではなく、気持ちまで持っていかれ、初めて気を許せる大人に出会ったのかもしれないと思った。

この大人には気を許し素直になれると