第35話 届け､愛の歌 ページ40
嶺亜サイド
優斗「なぁ､大光の奴､来てないな｡連絡しても､返ってこないし…」
和田「こんぴーも｡矢花がいた事は分かったけどさ｡さっき､ご家族にも会ったし」
大昇「港町に雨が降ってきたって､スマホで通知が来たし｡もうちょっとしたら､この街にも来そうだな｡不安になってきた…(´・_・`)」
大輝と大輝の彼氏の友達らしき3人の少年が､
喋りながら俺の前を通り過ぎていく｡
大輝が通う学校のクラスメイトかな?
嶺亜「(大輝…)」
避難所の出入り口前から見える外には､
灰色の雲が徐々に覆われている｡
俺も段々､不安になってきた…(´・_・`)｡
岸子「はぁ…はぁ…」
避難所の出入り口から､アラビア風の衣装を着た女性がボストンバッグを持って入ってきた｡
あれ?この人…｡
嶺亜「あの…」
岸子「うん?あっ､あなたは2年前に…」
嶺亜「あっ!港町の占い師さん(゜Д゜)!?」
占い師さんは「えぇ､そうよ」と頷いた｡
もしかして､避難所を探すのに迷っていたとか?
岸「優子!どこに行っていたんだよ!」
岸子「優太､ごめんなさい!ちょっと…」
この2人…顔が瓜二つだ｡って事は…｡
嶺亜「双子だったの(;ﾟдﾟ)!?」
岸子「あー､そうなのよ｡私が双子の妹で」
岸「俺が兄｡いや〜､テレビ局の見学ぶりじゃん｡元気だった(^-^)?」
嶺亜「あっ､うん…」
岸「それより､優子!ちょっと､炊き出しを手伝ってくれない!?さっき､1人倒れて…」
岸子「OK!(嶺亜に)あっ､この荷物ね｡あなたの友達のだから､預かってきたわ」
占い師さんは「はい」とボストンバッグを俺に渡して､
兄の警備員さんと一緒に炊き出しに向かった｡
俺の友達の荷物?何で俺に?
嶺亜「(まさか…)」
松尾「嶺亜様〜!」
手にしているボストンバッグを見つめていると､
龍が走ってやって来た｡
嶺亜「龍､どうしたの!?大輝が見つかった!?」
松尾「その事なんだけど､仲間から連絡があって｡大輝様が川に飛び込んで､人魚になって海に向かって泳いでいる所を見たんだって!」
じゃあ､大輝は彼氏を取り返すために､1人で…!
嶺亜「兄さん達に知らせなきゃ!」
松尾「俺も行くよ!」
その頃､港町の海底では…｡
新サイド
新「セイレーン一族､ルガン一族｡全員､集まったな｡よーし…」
人間の少年に乗り移った帝王陛下の前で､
俺は一族の出欠を確認していた｡
新「陛下!全員､いるようです!裏切り者を除いて…」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年12月5日 20時
