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大輝サイド
大輝「人間の女性は美しい声で歌い､海の魔王から人魚を解放した｡実は女性は人間ではなくて､とある一族の人魚…以前､会って恋をして…人間の世界に行ったと知って､追い掛けてきたんだ…」
まるで､海の魔王がセイレーン一族の帝王で､
深海の人魚が大光で…ってアイツは人間だけど､
帝王は大光の体に憑依して今…｡
大輝「…っ!」
大光(人間だけど)=深海の人魚､俺(大輝)=家で働く人間の女性(実は人魚)､
婚約者の女性=織山､セイレーン一族の帝王=海の魔王､じゃないか…!
大光の体を乗っ取った帝王が､港町と街を破壊しようとしている…( ; ﾟДﾟ)!
そうだ…そういえば､加藤さんのおじいさまの小説…｡
ボストンバッグから､加藤さんから誕生日プレゼントに貰った､
おじいさまの小説(おじいさまのサイン付き)を出して､ページを開く｡
大輝「やっぱり､似ている…!あっ､そういえば後書きをまだ､読んでいなかったな」
後書きのページを開いてみると…｡
『この物語は大正時代に起きた出来事をモチーフにしている』
って事は､ほぼ実話って事じゃないかΣ( ﾟДﾟ)!
大輝「…大光を助けられるのは､俺しかいない!」
行かなきゃ…!
小説をボストンバッグに入れて､手にすると､大光の家を飛び出した｡
港町の海に向かって､走っていると…｡
岸子「お待ちなさい､そこの美しい少年」
大輝「はい?」
急に目の前に現れた､紫色のアラビア風の衣装を着た女性｡
っていうか､やや男っぽい顔立ちだな…｡
あっ､それどころじゃないよ( ; ﾟДﾟ)!
大輝「すみません､急いでるんで!失礼します!」
岸子「あなた､大切な人を救いに行くのでしょう?」
大輝「(何なんだ､この人…)どうして､それを…?」
岸子「その右手の中指に着けている指輪」
えっ､ピンクパールの指輪?(・・?)
岸子「うちのお店で販売している､パワーストーンよ｡先月､制服を着た男子高生がそれを買っていったのだけど､あなたにプレゼントしたのね」
大輝「はい､俺の誕生日に…」
岸子「なるほどね｡あなたと彼は恋人同士…そうでしょう?」
何で､そんな事まで知ってるんだ…(・_・;)｡
岸子「言わなくても分かるわ｡今､タロットカードが出たのよ…」
大輝「えっ…あの!今､俺の彼氏が大変な事になってしまって!アイツ､生きているんでしょうか!?取り返すことができるんでしょうか!?」
俺は女性に､助けを求めた｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年12月5日 20時
