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嶺亜サイド
松尾「それじゃあ､いつまで経っても大輝様は避難所に来なくて､探しに行こうとしたんだね?」
事情を話すと､龍は「なるほど…」と頷いた｡
シーニュ一族は白鳥の特性を持つ人魚だと､如恵留先生が話していた記憶がある｡
シーニュ一族は現代､人魚の姿は見掛けなくなり､
白鳥の姿が殆どで､人魚になるシーニュ一族が､
一族の族長になるという掟がある｡
つまり､龍はシーニュ一族の現在の族長って事ね｡
松尾「だったら､仲間に探してもらおう(^^)」
嶺亜「仲間って､白鳥の?」
松尾「うん｡(スマホを操作して)あっ､もしもし｡俺ですけど…うん､それでね」
矢花「龍も避難しに来たんだろうね｡っていうか､他の仲間達がいないな?」
嶺亜「白鳥になれるんだから､逃げ遅れた人とか探してるんじゃないの?」
矢花「あー…あり得るね(^_^;)」
松尾「…ありがとう｡大輝様を見つけたら､連絡して｡よろしくお願いします｡(スマホの通話を切って)今､仲間が大輝様を探してくれるって｡連絡が来るまで待とう(^^)?」
嶺亜「うん､ありがと」
矢花「じゃ､戻ろっか」
松尾「だね｡あっ､さっき､おじさんとおばさんと結ちゃんに会ったよ｡そこで場所､取らせてもらった(^-^)」
矢花「そっか､良かった(^^)」
会話している2人の後ろで､
俺は大輝が無事だと案じながら､戻るのだった｡
その頃､大輝は…｡
大輝サイド
いきなり､棚から落ちてきた左上のホッチキスで止められた数枚のレポート｡
これって､大光のおじいさまが調べたレポートだよね…｡
大輝「『深海の人魚に纏わる伝説』…」
レポートを手にし､ゆっくりと開いた｡
大輝「海の精霊と呼ばれた深海の人魚…海底の次期の王の候補だったけど､陸の上の世界に行ったんだよね…」
次期の王の候補だからか､強大な力を持っていたって書いてあったな｡
深海の人魚はお金持ちの家の養子になったけど､
家で働く人間の女性に恋してしまったんだ｡
愛を深めていったけれど､婚約者の女性が現れて､
違う一族の人魚だという事が分かった｡
だから､人間の女性を捨てた｡
大輝「けど､婚約者は深海の人魚を海の魔王の元に連れていった｡魔王は魂だけがあって､体を欲しがっていて…理由は深海の人魚が強大な力を持っていたから…」
体を乗っ取られた深海の人魚は､街を破壊していった｡でも…｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年12月5日 20時
