狂犬と歌姫の条件 Part7 (ページ34)

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大輝サイド

まずはリビング｡大きな四角いテーブルに座布団がある｡

ここに座って､大光や友達と勉強会をやったっけ｡

テレビにその上にDVDレコーダー､お泊まりに来た時は､

大光のお兄さんが送ってきた駄菓子を食べながら､

レンタルショップで借りてきたDVDを見た｡

文化祭前にお泊まりに来てDVDを見ていた時は､大光が俺にキスしようとしたっけ｡

そして､大光のご両親の写真がある仏壇｡

俺は仏壇の前に座り､チーン!と鈴を鳴らしてから手を合わせる｡

大輝「お父様…お母様…大光が…ぐすっ(T_T)」

ダメだ…挨拶するつもりだったのに､涙が出てきてしまう…｡

大輝「ごめんなさい…大光が…大変な事に､なってしまって…(T_T)」

上手く話せない…亡くなっているけど､俺が人魚だなんて話せない｡

大輝「けど…俺は､息子さんを取り返します…大光は…俺の…ううっ(T_T)」

涙が止まらない…ご両親には申し訳ない気持ちだ…(ーー;)｡

涙を拭くと､「また来ます…」と頭を下げてリビングを出た｡

次に来たのはキッチンとダイニングルーム｡

お泊まりに来た時はここで大光とご飯を食べたり､

大光と一緒に俺の大好きなハンバーグを作って､食べたっけ｡

アイツと一緒に食事する時間が好きだったな…｡

キッチンとダイニングルームを出て､階段を上る｡

大輝「大光の部屋…」

2回目のお泊まりの時に､寝ている大光にキスしたんだよね…//｡

アイツは全く気づかなかったけど(ーー;)｡

一緒に寝たこともあって､大光の近くにいて､ドキドキして…//｡

でも､アイツはいびきをかくから､煩くてだらしない(ーー;)｡

もし､一緒に住む事になったら…大光とここで…//｡

大輝「何を考えてるんだ､俺…(ーー;)」

大光の部屋を出て､次に向かったのは…｡

大輝「大光のおじいさまの部屋…」

わりと広くて､ここで大光とダンスした部屋｡

部屋にある蓄音機に近づいて､適当にレコードを入れて音楽を掛ける｡

部屋中にバラードの音楽が流れ､大光がいるのを想像して､

手を取り合う素振りをし､踊り始めた｡

この時間が一番好きだったんだ｡

だって…大光が目の前にいるし､なかなか目を合わせられない…//｡

それでも…ときめいてしまうんだよ｡アイツに…//｡

アイツさえいれば…｡

大輝「また､大光と踊りたい…//」

そう呟いた途端｡

ガサッ｡

大輝「うん…?」

後ろから音がして振り返ると､棚から何枚もの紙が落ちていた…｡