狂犬と歌姫の条件 Part7 (ページ24)

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大輝サイド

宮近「おっ､治療は終わったのか?」

俺に話し掛けてきたのは､大きな水槽に浸かっている人魚の青年｡

前髪に赤いメッシュで黒髪､上裸で赤い尾びれ｡

大輝「はい､お陰さまで…」

宮近「まぁ､如恵留は優秀な医者だからな～(^^)」

大輝「学者って聞きましたけど､まさか人魚をサポートする家系の人だったなんて知らなかったです…(^_^;)」

そう｡如恵留先生は以前､大光とデートで港町に来た時に出会った海洋学者｡

嶺亜によると､川島家は大財閥であり､表向きは学者の家系で､

実は代々から人間界に住む人魚達をサポートする家系でもあるという｡

人魚の治療と手術､もちろん人間の怪我も治療を行っているんだって｡

カウンセラーの資格は持ってないけど､人魚のケアには熱心らしく､

人魚達の相談相手にもなっている｡

大輝「それも､如恵留先生の恋人が人魚だったなんて…(ーー;)」

嶺亜「俺も最初は驚いたよ(^_^;)｡如恵留先生が港町の海の調査に行った時に､怪我している宮近を助けたんだ｡それ以降､如恵留先生のすすめで一緒に暮らすことになったんだって」

如恵留「まぁ､俺がちゃか(宮近)を気に入った要因でもあるけどね(^-^)｡はい､ホットティー」

大輝&嶺亜「ありがとうございます/ありがとう」

如恵留先生がホットティーを持ってきてくれたので､ありがたく頂いた｡

如恵留「そうそう｡さっき､高地くんから電話があってね｡今日は､ここに泊まっていくといいって」

大輝「高地さんが?分かりました」

高地さん､如恵留先生と知り合いだったのか｡

明日､高地さんとジェシーさんに会ったら真っ先に謝らないとな…(ーー;)｡

宮近「っていうか､セイレーン一族の帝王が復活したってマジかよΣ( ﾟДﾟ)!?」

嶺亜「大マジ!それも､大輝の彼氏を復活の器に使ったんだよ( ｀ー´)!」

如恵留「今野くんの彼氏?えっ､人間なのΣ( ﾟДﾟ)!?」

嶺亜「そうなんだよ!それも､あと数十日で本当の恋人同士になるはずだったのに…(´・Д・｀)」

宮近「帝王が復活したとなると､また争いが始まるのか…!」

如恵留「昔からそう伝えられてきたからね｡それに､そうなると帝王が暴れて､港町の海が荒れていくんだ｡もしかしたら港町に住んでいる人々が､隣の街の避難所まで行く事になる｡俺達も避難の準備をしないと」

3人の会話を無言で聞いていたけど､大光の事が気掛かりで途中から耳に入ってこなかった｡