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その頃､大輝と嶺亜は…｡
大輝サイド
大輝「はぁ…はぁ…嶺亜､助かった(ーー;)」
嶺亜「うん…それはいいけど…」
嶺亜がエレキギターの攻撃で目眩ましさせたお陰で､
何とか撤退し､港町の海岸へと上がって逃げてきた｡
人魚から人間に戻った俺達だけど､俺は織山の攻撃を受けたこともあり､顔や体は傷だらけになっていた｡
嶺亜「まずは怪我の手当てをしなきゃ｡この町に､人魚を治療してくれるお医者さんが住んでいるから行こう」
大輝「そうなのか…?分かった…」
嶺亜「うん｡彼氏の事が気掛かりなのは分かるけど､怪我を治すのが先だからね」
ううっ…察知されてる…(ーー;)｡
セイレーン一族の帝王の器にされてしまったアイツは､大光じゃない｡
涙が溢れそうになるけど､ここはグッと堪えなきゃ…｡
嶺亜に支えられて､石の階段をゆっくりと上っていき､
嶺亜がお世話になっているという､人魚を治療するお医者さんの家へと向かう事に｡
夜中だからか､外はまだ暗くて､いくつかついている街灯が道を暗闇を照らしていた｡
嶺亜「もしもし､樹さん?嶺亜です…はい｡実は…」
嶺亜は俺を支えながら､スマホで樹さんに電話し､
先程までの出来事を伝えていた｡
嶺亜「…はい｡如恵留先生に診てもらうので…分かりました｡では､失礼します」
電話を終えた嶺亜は､スマホをズボンのポケットにしまった｡
暗いからか､周囲は黒い木々が生い茂っていて､
一直線の道を歩いていくと､木々の道を抜けて､大きな一軒家が見えた｡
あの家が､人魚を治療してくれるお医者さんの家らしい｡
何とか歩いていき､家まで辿り着くと､
嶺亜がピンポーン♪とチャイムを鳴らした｡
すると､すぐにガチャ!と扉が開いて､お医者さんが出てきた｡
如恵留「嶺亜!!」
嶺亜「如恵留先生!急患だよ!コイツ､俺の幼馴染みで大切な友達なんだ!すぐに治療して!」
如恵留「さっき､樹から連絡が来て聞いたよ｡任せて!」
如恵…留…先…生…?それに､この顔はどこかで…｡
とにかく､今は自分の怪我を治してもらわなきゃ｡
数十分後…｡
ガチャ(扉が開く音)｡
嶺亜「大輝!」
大輝「嶺亜…」
怪我の治療を終え､治療室を出ると椅子に座って待っていた嶺亜がいた｡
顔と体､尾びれの傷は特注の塗り薬で治療され､
汚れていた髪はバスルームに移動して､
特注のシャンプーとトリートメントで洗って､綺麗にしてもらったんだ｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年12月5日 20時
