狂犬と歌姫の条件 Part7 (ページ22)

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大輝サイド

新「帝王陛下!陛下の復活に必要な人間を連れて参りました!」

そう言うと､黒いシルクの布で拘束された大光を祠の前に寝かせた｡

嶺亜「やめろっ(｀ヘ´)!」

大輝「大光…!やめてくれっ…!」

さっきの稲妻攻撃に当たって倒れた俺は手を伸ばすけど､当然ながら届きもしない｡

?『我の復活に相応しい､良い人間ではないか｡よくやった…』

織山「さぁ､陛下の魂をこの人間に…!」

?『うむ…復活できれば､お前の願いも約束できようぞ』

祠の扉がゆっくりと開いていき､若い青年の人魚のような黒い影が現れた。

あれが…セイレーン一族の帝王…!

帝王の影は大光に近づくと､ゆっくりと体の中に入っていった｡

大輝「大光っ…!」

帝王の影に憑依された大光は､ゆっくりと起き上がって､

海中に浮かぶと､開いた目が赤く光った｡

帝王(大光憑依)『うむ…』

新「帝王陛下､復活おめでとうございます!」

織山「お体はいかがですか?」

帝王(大光憑依)『少し違和感があるが…心配ない｡その内､慣れるだろう…』

新&織山「やった!イェーイ(*^^*)!(ハイタッチ)」

大輝「そんなっ…( ; ﾟДﾟ)!」

嶺亜「帝王が復活した…それも､大輝の彼氏の体で…( ; ﾟДﾟ)!」

新は「さーて♪」と､織山と一緒に俺と嶺亜の方に向けた｡

帝王に憑依された大光も､睨むようにこっちを見ている｡

大輝「(相手は帝王とはいえ､体は大光…戦えそうにない!しかも俺､織山の攻撃でボロボロだし…(ーー;))」

嶺亜「(大輝の様子を見て)…大輝､1度撤退するよ」

大輝「えっ…?」

嶺亜「(エレキギターを弾く)はっ!」

織山&新「っ!?」

ドカン!!

織山サイド

モクモクモク…(煙の出る音)｡

織山「…あーあ､逃げられちゃった(´・д・｀)」

ローズピンクの尾びれの人魚(嶺亜)が弾いたエレキギターから､

黄色い星が俺らの前に何発も放ってきて､煙が起きて見えなくなった｡

やがて､煙が晴れたけど2人の姿がない｡

新「どうする?追い掛けるか?」

織山「…別にいいや｡帝王陛下も復活した事だし」

新「おり…!」

帝王(大光憑依)『尚大の言う通りだ､放っておけ｡その内､我らセイレーン一族とルガン一族､敵であるオンディーヌ一族とニクス一族の争いが始まる頃に戻ってくるだろう』

新「…仰せのままに」

新は答えると､俺の隣に立った｡

帝王(大光憑依)『もうすぐ､海は荒れ､この町と隣接する街は無くなり､我らの世界となる…｡2人とも､準備を頼むぞ』

織山&新「はっ…」