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大輝サイド
矢花「言えない事って、こんぴーが人魚だった事…?」
大輝「…そうだよ。だから、この前の中間試験の最終日に行ったカラオケも行けなかったんだ」
俺は自分がオンディーヌ一族という人魚である事、
人間の世界の事をこの目で見たくて、街の学校に転校してきた事、
オンディーヌ一族の掟の事などを矢花に話した。
矢花「掟って、シーニュ一族と違ってそんなに厳しいのか…(・_・;)」
大輝「人魚の中でも一番、位が高いからという事もあるけど、その昔にオンディーヌという人魚がかつて人間の男性を愛してしまい、一緒になる為に2人で自ら命を絶ったという言い伝えがあるからなんだ」
松尾「それがキッカケで、掟が作られたって事?(・・?)」
大輝「俺が住み処にいた頃に、学校で習った記憶がある」
矢花&松尾「(人魚の世界にも学校、あるんだ…(^_^;))」
とはいえ、聞いてきたこの言い伝えには何だか似ていたり、聞いた事がある気がする。
加藤さんのおじい様が書いた小説…。
大光のおじい様が書いたレポート…。
矢花「こんぴー?」
大輝「はっ!矢花、今まで黙っていて悪かった。お前もさっき見た通り、俺は人魚だ。あの時、追い詰められているみたいに見えて、バレるのが怖くて、声を荒げてしまったんだ…(´・_・`)」
矢花「あの、俺もそうだとは知らないで、責めちゃって…(´・_・`)」
大輝「お前が初めての人間の友達だった。俺と同じく音楽が大好きで、すぐに気が合ったよな…」
俺が学校に転校して、大光のクラスになった時の事だった。
席に座ると、隣には地味そうな男子がいたんだ。
アイツはクラスの学級委員であり、クラスを纏めているという。
ソイツが矢花黎。すぐに話し掛けられ、分からない事があれば何でも聞くように言われたんだ。
ある休み時間、ジェシーさんから譲られた音楽プレイヤーを通学鞄から出すと、
矢花が目を輝かせながら話し掛けてきた。
矢花『今野くんも音楽、好きなんだ?』
大輝『えっ…まぁね』
矢花『その音楽プレイヤー、有名な会社の奴なんだよな〜。羨ましいよ(^_^;)』
大輝『(ジェシーさん、何でそんな有名なのを俺に譲ったんだ(^_^;))』
矢花『俺も家族も音楽が好きで、家には楽器だらけで、たまに家族でセッションするの。最初はあまり興味無かったけどね(^_^;)』
コイツも俺と同じ、音楽を愛しているのか。
晴れやかな笑顔で音楽の事を話す矢花。
仲良くなりたいと思った瞬間だった。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月11日 21時