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大輝サイド
セイレーン一族の息子…?
手越「あー…そういえば」
大輝「何ですか?」
手越「1ヶ月前だったかな｡俺､双子の弟に頼まれて､刑務所にいる社長秘書の彼女に会いに行ったの｡その際に…」
今から1ヶ月前…｡
手越サイド
女性刑務官「面会時間は5分間です」
手越「分かりました」
俺は双子の弟(城山小太郎)に頼まれて､
都内の女性刑務所を訪れていた｡
プラスチック越しにいたのはグレーのつなぎ服を着た､
眼鏡を掛けたダークブラウンのショートボブの女性｡
手越「久しぶりだね…早見さん」
早見「…あなたなの」
冷たい声で話し掛けてきた､
2年前に倒産した､巨大企業である株式会社ローレライの社長秘書だった女性｡
しかし､その正体は双子の弟をセイレーン一族にして利用したり､
母さんの弟2人…叔父さん2人と奥さん2人に下の叔父さんの息子さんを殺し､
さらに､会社の一部のスタッフ達と一緒にやっていた闇バイトのリーダーとして､
悪事をしていた､セイレーン一族の人魚だった｡
つまり､連れ去った嶺亜を騙して犯罪の道へ引き込もうとした悪人って事｡
早見さんと彼女に加担したスタッフ達は警察に逮捕され､今は刑務所で服役している｡
早見「あなたの弟は?」
手越「本当は小太郎が来る予定だったけどアイツ､発熱を出したから｡だから､代わりに来たんだ」
早見「…そう」
彼女は「それで､何しに来たの?」と､素っ気なく聞いた｡
俺は「聞きたいことがあって来た」と､椅子に腰を掛ける｡
手越「だけど､これは内密だから｡(プラスチック越しの女性刑務官に)すみません｡面会時間が終わるまで､2人きりにしてほしいんですが…」
女性刑務官「そ､それは…(・_・;)」
早見「これは内密の話なの｡大丈夫よ､逃げはしないわ」
女性刑務官の人は困っていたけど､「分かりました」と外に出た｡
早見「それで?」
手越「早見さんは離れ離れになった息子さんがいるんだったよね?」
早見「…えぇ｡それが何なの?」
手越「あなたがセイレーン一族なら､息子さんもそうだろうって｡ちなみに､息子さんは早見さんが逮捕された事は…」
早見さんは俯きながら「もちろん､知ってるわ…」と呟いた｡
親戚の元で暮らしている息子さんは､彼女が逮捕された事をニュースで知り､
非常にショックを受けたと､届いた親戚の手紙に書いてあったという｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月11日 21時
