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大輝サイド
手越「嶺亜!」
嶺亜「…」
まだ記憶が戻っていないのか､嶺亜は笑っていなかった｡
手越「嶺亜､俺だよ!分かる!?」
嶺亜は塾長を見て､首を横に振って「ごめんなさい…分からないです」と頭を下げた｡
手越「ダメかぁ…これで､5回目だ(´・Д・｀)」
大輝「(塾長､何回もお見舞いに行ってるんだ…)」
手越「ねぇ､嶺亜｡彼(大輝)は分かる?同じオンディーヌ一族なんだよ!」
大輝「嶺亜､俺だよ!思い出してくれよ!」
青木「こんぴー…(´・д・｀)」
記憶が戻ってほしくて､俺は必死に訴える｡
嶺亜が入院してから何日も過ぎて､それでも記憶は戻らない。
俺は悲しかったんだ｡大切な幼馴染みじゃないか｡
嶺亜「…お前､誰?お前の事なんて､知らない(¬_¬)」
大輝「…っ!?」
俺を睨み付け､冷たい声で言い放つ嶺亜｡
あんな怖い顔､俺に向けたことない｡冷たい声で話し掛けた事もない｡
記憶喪失とはいえ､こんな事を言われるなんて…｡
手越「今野ちゃん…(´・Д・｀)」
大輝「…嶺亜なんか知らないっ!お前なんか大嫌いだっ(＃｀皿´)!!」
嶺亜にそう言い放つと､ハーフコートと通学鞄を持って病室を飛び出した｡
青木「あっ､こんぴー!待ってΣ( ﾟДﾟ)!」
病院内にいる看護師さんやお医者さん､患者さんに見られても､俺は気にせずに走り続ける｡
嶺亜の冷たくて怖い顔に､怒りと悲しみが混じって涙が止まらない｡
病院を出た所で､崩れ落ちるように座って泣いてしまう｡
青木「こんぴー…大丈夫(´・д・｀)?」
俺が心配で追い掛けてきたのか､青木が心配で駆けつけてきた｡
青木「ねぇ､こんぴー…」
大輝「悪いけど､1人にして…(T_T)」
青木「…分かった｡じゃ…帰るね」
青木は､しょんぼりしながら帰っていった｡ごめん､青木…｡
トゥルースラブにも帰る気にならないよ…(´・Д・｀)｡
手越「今野ちゃん…」
そこへ､塾長が病院から出てきて心配そうに話しかけてきた｡
大輝「塾長､俺…っ(T_T)」
急に優しく抱きしめられ､塾長は「よしよし」と頭を撫でてくれた｡
塾長の腕の中は暖かくて､癒されてしまう｡
俺は少しの間､腕の中で泣き続けて､やがて泣き止むと､塾長が口を開いた｡
手越「落ち着いた?」
大輝「…はい」
手越「音楽塾､来る?今日､レッスン無いからさ」
大輝「えっ…?」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月11日 21時
