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青木サイド
昨日の朝、俺は彼氏の檜山くんと一緒に、
廊下で楽しく話していた時の事だった。
檜山「今週までだよ、学校のクリスマス会の締め切り。バンドでクリスマスメドレーとか、やりたいじゃん?俺がドラムで青木がキーボードだろ…」
青木「ベースは、またバナさんに助っ人でお願いする?この前の文化祭は、後輩がベースをやってくれたから助かったけど…」
檜山「だな。で、ボーカルは高2のリッキーに助っ人でお願いしてもらおう。アイツ、ストリートミュージシャンをやっているし、歌も上手いし(*^^*)」
青木「そうだね。問題はギターだけど…(あれ?)」
大光「大輝、朝っぱらからどこに行ったんだろ」
A組の教室から、茶髪で紫色のネクタイを着けた制服姿の男子が出てきた。
大輝って、こんぴーの事?
って事は、彼はこんぴーの彼氏かも。
檜山「青木、どうした?」
青木「檜山くん、先に教室に戻ってもらっていい?」
檜山「いいけど…」
青木「ごめんね、すぐに戻る(^_^;)」
そう言って、こんぴーの彼氏らしき生徒の後を追った。
はぁ…はぁ…あちこちに行く、こんぴーの彼氏を追い続けて疲れる…(ーー;)。
息切れしていると、こんぴーの彼氏は階段の踊り場へと上がっていった。
俺も抜き足差し足忍び足で近づいていくと…。
大光「大輝!」
大輝「大光」
大光「教室にいないから、探したよ(^_^;)」
大輝「あー…それは、ごめん」
2人に見つからないように隠れて、会話を盗み聞きする。
あんなに楽しそうな会話…じゃあ、やっぱり彼は、こんぴーの彼氏だったんだ。
文化祭の劇の『ウエスト・サイドストーリー』を見た時も、
息があっていて、もしかしてトニー役の男子が、
こんぴーの彼氏だったりして…って、思ったりしたもの。
俺と檜山くんよりお似合いのカップルで、ちょっと羨ましい。
そう思っていたら…。
大輝「お前には話してもいいよね。俺が人魚であることを知っている訳だし」
…今、何て?(・・?)
こんぴーが…人魚?
信じられない、嘘だと思っていると、
こんぴーは俺と一緒にクリスマスプレゼントを買って、別れて家に向かう途中で、
ルガン一族の湧さんとうっちーに足止めされて、セイレーン一族の女帝(カイゼリン・セイレーン)の敵討ちだと言って、襲ってきた事を話した。
ちなみに、湧さんとうっちーは俺の従者の立場の人魚で、
俺はセイレーン一族の姫君という異名を持った人魚なんだ。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月11日 21時