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大輝サイド
大輝「(大財閥の家にメイドとしてやって来たオンディーヌは、実は水の精霊である人魚。で、人間である大財閥の御曹司と恋に落ちて…)」
人間と人魚の恋愛は禁止と言われている。
まるで、俺達オンディーヌ一族と似ているみたいだ。
大輝「(御曹司は親に決められた婚約者がいたけれど、周囲には秘密で愛し合った。だけど突然、御曹司はオンディーヌに対して冷たくなって…婚約者と過ごす毎日が増えた。それから…)」
先生「よし、次の文章を今野、読んでくれ」
大輝「(オンディーヌは御曹司を信じ続けて…)」
矢花「(小声で)こんぴー、呼ばれてる!」
大輝「…えっΣ( ゚Д゚)!?あっ…すみません(>_<)!」
しまった…物語の事で、頭がいっぱいできいていなかった…(ーー;)。
先生「今野、大丈夫か?悩み事があるなら、後で相談にのるぞ?」
大輝「いえ、何でもないです…」
大光「(小声で)大輝、次に読む所はここだよ」
大輝「ありがと…」
大光が教科書の文章を指してくれて教えてあげられ、俺は頷くと立ち上がって読み始めた。
大光サイド
あの子、どうしたんだろ?授業に集中していないなんて。
首を傾げながらも、目線を教科書に向ける。
だけど、じいちゃんが作ったレポートが気になって、
俺も授業に集中できなかった。
大光「(深海の人魚は海底の国の次期の王様候補だったんだよな。人間の世界に興味を持って、許可を貰って行った訳だけど、人間との恋愛は禁止だって言っていた)」
あれから俺は毎日のように、じいちゃんのレポートを読むようになって、
頭から離れられなくなっていったんだ。
難しい文章だけど、何とか頑張って読んだけどな(^_^;)。
大光「(お金持ちの家の養子になった訳だけど、家で働く事になった人間の女性と恋に落ちたんだよな)」
人間である俺と人魚の大輝が学校で出会って、恋をしたように…。
大光「(でも、婚約者を紹介されて、その婚約者は自分と違う一族の人魚だと知って、愛していた人間の女性を捨てた。海底の国の王様が『とんでもない事が起きる』って言っていたのを思い出したからだろうな…。それで)」
キーンコーンカーンコーン…。
先生「授業はここまで。号令を」
生徒「起立!気をつけ!礼!」
生徒達「ありがとうございましたm(_ _)m!」
うわっ、ノート全然、書いてねぇ…(ーー;)。
大輝の方を見ると、あの子のノートもあまり書いてない。
後で、優斗か大昇に見せてもらおう…。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月11日 21時