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28-8 ページ26

大輝サイド

大輝「(大財閥の家にメイドとしてやって来たオンディーヌは、実は水の精霊である人魚。で、人間である大財閥の御曹司と恋に落ちて…)」

人間と人魚の恋愛は禁止と言われている。

まるで、俺達オンディーヌ一族と似ているみたいだ。

大輝「(御曹司は親に決められた婚約者がいたけれど、周囲には秘密で愛し合った。だけど突然、御曹司はオンディーヌに対して冷たくなって…婚約者と過ごす毎日が増えた。それから…)」

先生「よし、次の文章を今野、読んでくれ」

大輝「(オンディーヌは御曹司を信じ続けて…)」

矢花「(小声で)こんぴー、呼ばれてる!」

大輝「…えっΣ( ゚Д゚)!?あっ…すみません(>_<)!」

しまった…物語の事で、頭がいっぱいできいていなかった…(ーー;)。

先生「今野、大丈夫か?悩み事があるなら、後で相談にのるぞ?」

大輝「いえ、何でもないです…」

大光「(小声で)大輝、次に読む所はここだよ」

大輝「ありがと…」

大光が教科書の文章を指してくれて教えてあげられ、俺は頷くと立ち上がって読み始めた。


大光サイド

あの子、どうしたんだろ?授業に集中していないなんて。

首を傾げながらも、目線を教科書に向ける。

だけど、じいちゃんが作ったレポートが気になって、

俺も授業に集中できなかった。

大光「(深海の人魚は海底の国の次期の王様候補だったんだよな。人間の世界に興味を持って、許可を貰って行った訳だけど、人間との恋愛は禁止だって言っていた)」

あれから俺は毎日のように、じいちゃんのレポートを読むようになって、

頭から離れられなくなっていったんだ。

難しい文章だけど、何とか頑張って読んだけどな(^_^;)。

大光「(お金持ちの家の養子になった訳だけど、家で働く事になった人間の女性と恋に落ちたんだよな)」

人間である俺と人魚の大輝が学校で出会って、恋をしたように…。

大光「(でも、婚約者を紹介されて、その婚約者は自分と違う一族の人魚だと知って、愛していた人間の女性を捨てた。海底の国の王様が『とんでもない事が起きる』って言っていたのを思い出したからだろうな…。それで)」

キーンコーンカーンコーン…。

先生「授業はここまで。号令を」

生徒「起立!気をつけ!礼!」

生徒達「ありがとうございましたm(_ _)m!」

うわっ、ノート全然、書いてねぇ…(ーー;)。

大輝の方を見ると、あの子のノートもあまり書いてない。

後で、優斗か大昇に見せてもらおう…。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年9月11日 21時

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