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大輝サイド
大光「怖っ…( ; ﾟДﾟ)」
大輝「だけど､中にはセイレーン一族と縁を切ったルガン一族がいる｡陽だまり湯の従業員の上田さんだ」
大光「ええっ!?マジΣ( ﾟДﾟ)!?」
俺は「マジだよ」と頷き､話を続けた｡
大輝「追い詰めたアイツらに聞いたけど､幼馴染みをセイレーン化した犯人じゃなかった｡アイツらは俺に殺すように言われたけど､無意味だと拒否したんだ｡大昔からオンディーヌ一族とニクス一族､セイレーン一族とルガン一族は敵同士だけど､同じ人魚なのに争うなんておかしい｡そんな事をしても残るのは､仲間を失ってしまうかもしれない悲しみだよ」
大光「…」
大輝「だけど､ルガン一族の族長は相当､酷い人魚だったみたいで仲間達からはよく想われていなかったらしい｡上田さんと戦った族長が戦死すると聞くと､仲間達は安堵したそうだ」
今と昔は違うと俺は思う｡
本来､一族の人魚達は湖の世界､海の世界でお互いに助け合ってきたんじゃないか?
いつから､こんな事になってしまったのだろうと疑問を感じる｡
加藤さんのおじい様が書いた小説のモチーフか､
大光のおじい様が調べた深海の人魚に関係してあるのか…｡
大光「その後､ルガン一族はどうなった?」
大輝「さぁ?性格の悪い族長がいなくなったし､何とかなってるんじゃないの」
大光「大輝」
大輝「うん?」
大光「俺は人間だけどさ｡もし､セイレーン一族かルガン一族の人魚だったら､大輝はもちろん､オンディーヌ一族やニクス一族と争わないな｡大輝の言う通り､仲良くやっていきたいね｡争ったって､何も生まれないんだから｡俺も敵である一族は殺さない」
大輝「大光…」
大光「いつか､敵同士の一族の人魚達は一致団結して助け合う日が来るよ(^-^)」
大光は「だぁいじょうぶだって(*^^*)」と､俺を引き寄せて頭を優しく撫でた｡
コイツ…俺の心を暖かくしてくれるから､ついニヤケちゃうだろ…//｡
一致団結して助け合う日か…大光の言葉を信じたいものだ｡
キーンコーンカーンコーン…｡
大光「やべっ!朝のホームルーム､始まるぞ!」
大輝「急ごう!」
チャイムが鳴り､階段を下りて教室まで駆け出した｡
先生「では､この文を…佐々木｡読んでくれ」
大光「は､はいっ!」
国語の授業中､席の前で大光がアタフタしながら教科書を読む中､
俺は頭の中で､加藤さんのおじい様の小説の内容を振り返っていた｡
えっと…大正時代の話だったっけ｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月11日 21時
