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大輝サイド
矢花の母『ありがとう｡大輝くんも､体調には気をつけてね』
大輝「はい､失礼しました｡さようなら」
お母さんに挨拶して家を後にすると､
矢花が行ったと思われる病院に行く事にした｡
ついでだから､嶺亜の様子を見に行こう｡記憶が戻ってると信じて｡
大輝「(とりあえず､矢花が来ているか聞いてみよう)」
病院を訪れて受付の人に聞くと､
矢花は来たばかりで診察を受けていると告げられた｡
これだと､少し時間は掛かりそうだな…｡
その間に､嶺亜の様子を見に行こう｡
エレベーターで5階に行き､嶺亜のいる病室の扉をノックするけど…｡
シーン…｡
大輝「(寝てるのか?)」
そっと扉を開けると､嶺亜を担当している泉さんがベッドを整えていた｡
大輝「あの…」
泉「あっ､今野さん」
泉さんは振り返ると､「こんにちは」と会釈した｡
大輝「こんにちは｡あの､嶺亜は…」
泉「ただいま､診察を受けているんです｡お見舞いに来て下さったのに､ごめんなさいね(^_^;)」
大輝「いえ…アイツ､それから記憶は少しでも戻りました?」
泉「全くありません…(´・_・`)」
大輝「そうですか｡あと､どれぐらいで戻りますか?」
泉「10分程ですかね?お待ちになられますか?」
大輝「いや､また来ますので｡お大事にとお伝え下さい｡失礼しますm(_ _)m」
嶺亜の病室を後にし､エレベーターに乗る｡
診察って､何を診てもらってるんだろ｡
記憶がどれぐらい戻ってるかどうかの確認かな?
エレベーターの扉が開いた瞬間､
病院を出ていく背後の少年を見掛けた｡
あの背丈に髪型…矢花か!?
大輝「矢花!」
矢花を追い掛け､病院内を走って出ると､辺りを見回す｡
見失うわけにはいかない｡
アイツと仲直りするまでは帰らない｡
大輝「(いた!)」
矢花を発見して､後を追い掛けた｡
大輝「はぁ…はぁ…アイツ､運動音痴の癖に足がはぇぇよ…(-_-;)」
よっぽど急いでいるのか､矢花は走って俺から遠ざかっていく(俺には気づいてないけどな)｡
体調不良なのに､走ったらよっぽど悪化するんじゃないのか…(¬_¬)?
それにアイツ､自分の家に帰ろうとしないし｡
大輝「俺が住んでいた湖のある森じゃないな｡ここにも森があるのか」
矢花が入った森に俺も入り､アイツを見失わないように､気づかれぬように尾行していく｡
一体､どこに向かっているんだ…?
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年9月11日 21時
