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大輝サイド
上田「(今野と関係のある人間が狙われる可能性は､充分にあるな…)」
大輝「上田さん?」
上田「あぁ､すまん｡じゃ､腹もいっぱいになったし､出ようぜ」
大輝「あの､自分の分は払うので…」
上田「遠慮すんな｡俺の奢りだ｡(店主夫婦に)ご馳走さまでした!」
上田さん､何を考えていたんだろ?
俺を物置小屋に閉じこめたルガン一族は､
何で俺が人間の世界に入ることを知っているんだろ?
大輝「(やっぱり､人間の世界にセイレーン一族がいる｡俺を襲ったという事は､俺の周りにいる人達を狙っているに違いない)」
すぐに頭に浮かんだのは､彼氏である大光だ｡
もし､アイツが狙われたら俺が守ってやる｡
この所､助けられたり守られてばかりだからな…｡
琳寧「こんぴー､またね(*^^*)!」
大輝「うん､またね」
上田「何かあったら､誰でもいいから連絡しろよ｡俺も出来る限り､協力するぜ」
大輝「上田さん､ありがとうございます」
すると､ちょうどバスが来たので､
2人は乗って扉が閉まると､窓から見える琳寧が手を振ったので､俺は軽く手を振る｡
上田さんは俺を見て頷くと､俺は頭を下げる｡
2人が乗ったバスが見えなくなるまで見送り､
俺もトゥルースラブに帰る事にした｡
大輝「(今日は長い1日だった気がする…)」
コインランドリーに行ったり､
嶺亜のお見舞いに行ったり､
鉄板焼きを食べたりと､時間が過ぎていないように感じた｡
まだ営業中だから､裏口から入ろう｡
大輝「ただいま」
手洗いとうがいをして､部屋に入って､
ブルゾンやマフラー､帽子に手袋を取ると､
ベッドにダイブした｡
大輝「(大光と本当の恋人同士になるまで､あと2週間と数日か…)」
それまでに､セイレーン一族の帝王の復活を許してはいけない｡絶対に｡
大光サイド
大光「ありがとうございました〜(^-^)」
ジェシー「高地〜､ブッシュ・ド・ノエル､全て完売だよ〜」
高地「OK｡大光､完売のお知らせのメモを貼って」
俺は「了解っす」と､カウンターとテーブル席に置いてある､
メニューに書いてある､ブッシュ・ド・ノエルの写真の近くに､
『本日の分は完売しました』というメモを貼っていった｡
今､お客さんもいないので､ジェシーさんと2人で､
消毒液と布巾を使って､カウンターとテーブル席を拭いていく｡
カランコロン♪
大光「いらっしゃ…矢花!?」
入ってきたのは､沈んだ表情の矢花だった｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年8月15日 22時
