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琳寧サイド
琳寧「じゃあ、そうしてもらおうかな。こんぴーは、嶺亜さんとはどーゆー関係なの?(・・?)」
大輝「…っ」
上田「おい、琳寧。あんまり戸惑わせる事を聞くな(ーー;)」
こんぴーは目をパチパチしながら、琳寧と師匠を交互に見ている。
それに気づいた師匠が「あぁ、すまん」と言った。
上田「今野。確認したいことがある」
大輝「な、何ですか…?」
上田「お前…人間じゃねぇだろ」
大輝「…」
琳寧「えっ…( ; ゚Д゚)」
こんぴーは、師匠に指摘されて避けるように俯いた。
ど、どーゆー事…?
上田「中村のお見舞いに来た時、どうもお前の様子がおかしかった。それに、右の手のひら、見せてみろ」
こんぴーは俯いたままで恐る恐る、師匠と琳寧の前に右の手のひらを出して、
グーからパーになるように開いて見せた。
琳寧「これは…嶺亜さんと同じ…」
上田「あぁ。天使のような翼が生えた人魚。今野はオンディーヌ一族の人魚なんだ」
大輝「上田さん、貴方は何者なんですか!?何で、嶺亜が俺と同じ人魚だって知ってるんですか!?」
上田「落ち着け、今野!それと、座れ」
こんぴーが狼狽えて思わず立ち上がるけど、
師匠に窘められて、「すみません…」と座る。
師匠はため息をつくと、ゆっくりと口を開いた。
上田「今野。実は俺も人間じゃない」
大輝「えっ…(;゚д゚)」
上田「だが、落ち着いて聞け。俺はオンディーヌ一族をはじめ、他の一族を襲う気は全くない」
大輝「上田さん…貴方は…」
師匠は「あぁ」と頷くと、またゆっくりと口を開いた。
上田「俺は、ルガン一族の人魚だ。今はセイレーン一族とは縁を切っている。だから、お前の味方だ」
大輝「…」
琳寧「師匠。信じられないって顔してますよ(´・_・`)」
上田「いきなり打ち明けて、何も言えないんだろ。俺は説明が下手だから、お前が話してやれ」
琳寧「わ、分かりました。こんぴー、信じてくれないかもしれないけど、本当なんだ。師匠と出会ったのは、琳寧が高校生になる直前の春休みの時だったんだけど…」
こんぴーに、あの時の出来事を話した。
琳寧が高校生になる直前の春休み、
いつものようにジョギングをしていると、
港町の海岸で倒れている男性を見つけた。
その男性が師匠…上田竜也さんで、
師匠は記憶喪失になっていて、
記憶が戻るまで、実家の銭湯『陽だまり湯』に居候させることにしたんだ。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年8月15日 22時