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大輝サイド
上田「俺はコイツ(琳寧)の付き添いです｡それと､中村とは知り合いなので」
えっ?上田さんと嶺亜が知り合い?(・・?)
泉「そうだったんですね｡ただいま終わった所ですので､私は失礼します｡何かあったら､ナースコールでお呼びください」
泉さんは「失礼しますm(__)m」と病室を出ていった｡
ベッドの上にいる嶺亜は､無言で俺達をまじまじと見つめている｡
大輝「(嶺亜…)」
俺が初めてお見舞いに来た時は眠っていて､
起きないまま､面会時間が終わってしまった｡
記憶喪失になったと聞いて､何て声を掛けようか分からなかった時､琳寧が話し掛けた｡
琳寧「嶺亜さん!具合はどう?」
嶺亜「…まぁまぁ」
笑うことなく､弱々しくて暗い声だった｡
記憶喪失だからか､いつも明るくてポジティブな嶺亜じゃない｡
琳寧「嶺亜さん､彼(大輝)の事を覚えてる?君の友達みたいだけど…」
嶺亜は俺を見つめると､「知らない」と答えた｡
大輝「…っ」
上田「今野…」
やっぱり､嶺亜は記憶喪失だった｡そりゃ､俺の事を覚えていないのは当然である｡
琳寧「ねぇ､琳寧の事は分かる?一緒に同じ班になって修学旅行を楽しんだり､本�眇�堂でお昼の情報番組の生中継に出る克樹の応援を一緒にしたじゃん(^-^)!」
嶺亜「…ごめん｡思い出せない…」
琳寧「そんな…(´・Д・｀)」
意気消沈する琳寧を見て放っておけないのか､今度は上田さんが話し掛けた｡
上田「中村…」
嶺亜「はい…?」
上田「無理に思い出すことはねぇ｡だが､これだけは言っておくぜ｡お前には､大切な家族がいる｡アイツらは心配して､お前の記憶が戻ることを願って､待っているんだ」
嶺亜「…」
上田「俺にも大切な家族がいるからな｡琳寧､パパさん､ママさん､
嶺亜「…」
上田「それに､中村には沢山のダチがいる｡ここにいる琳寧だけじゃない｡コイツ(大輝)も､お前の掛け替えのないダチだ」
上田さん…｡
琳寧「こんぴーも何か言ってあげたら?友達でしょ(^^)?」
大輝「俺は…」
泉「失礼しますm(__)m｡面会時間終了のお時間です」
言葉が詰まってしまい､どうすればいいか迷っていると､
泉さんが入ってきて､面会時間の終わりを知らせた｡
アイツに何も声を掛けられないまま､琳寧､上田さんと病室を後にした｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年8月15日 22時
