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大輝サイド
レポートの表紙には『深海の人魚に纏わる伝説』と､書いてあった｡
深海に住んでいた人魚って事?ってゆーか､どこの深海よ?
大光「開いてみようか」
大光はレポートを捲り､内容を見てみることにした｡
大光「うわっ､難しい漢字ばかりで全然､分かんねぇ…(ーー;)」
大輝「(国語は得意って言ってなかったか…?)かしてみ」
大光からレポートを受け取って､スラスラと読み始めた｡
大光「(す､すげぇ…)」
大輝「簡単に言うと､深海の人魚は海の精霊と呼ばれていた｡深海の人魚は強大な力を持ち､海底の国の次期の王の候補として目を掛けられていたが､彼は人間の世界に興味を持ち､陸の上の世界に行って大学生の青年として生活を始めた…」
大光「ふむふむ」
大輝「深海の人魚は強大な力の持ち主でありながらも､それを悪用する事は無かったので､人魚の仲間達から愛されていた｡目を掛けていた王も､人間の世界は勉強になるといい､行くことを許可した｡ただし､王は彼に条件をつける｡人間と友情を結ぶのは構わないが､人間の女性を愛してはいけない｡さもなければ､とんでもない事が起きるだろうと」
大光「ふむふむ」
さっきから『ふむふむ』しか言ってないし､ちゃんと聞いてんの(¬_¬)?
何て聞けず､俺は続ける｡
大輝「彼はお金持ちの家の養子になり､充実した生活を送っていた｡そんなある日､家に働くことになった人間の女性がやって来て､彼は条件をつけられたにも関わらず､女性に恋をしてしまった｡その後､2人は愛を深めていくが､彼に婚約者だという女性を紹介される｡しかも､その女性は違う一族の人魚である事が彼には分かった｡人間の女性を捨て､彼は婚約者を選んだ」
大光「な…」
大輝「ところが､婚約者は彼をある人物の元に連れていった｡その人物が海の魔王と呼ばれる人魚で､海の魔王は魂だけがあり､体を浴していたという｡婚約者は魔王の手下であり､強大な力を持っている深海の人魚に近づいたそうだ｡海の魔王に体を乗っ取られた彼は､街を破壊し始めていく」
うん…?何か似たような､聞いたことあるような…｡
大輝「人々が逃げる中､人間の女性は彼を助けようと美しい声で歌いだす｡すると､彼は海の魔王から解放された｡実は人間だと思われた女性は､とある一族の人魚で以前､会った事があって恋に落ち､人間の世界に行ったと知って追いかけてきたのである」
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年8月15日 22時
