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大輝サイド

瑞稀はそう言うと、背負ったリュックと荷物が入ったトランクを持って、先に泳いでいった。

住処を離れるのは嫌だけど、俺も脱出しなきゃ…!

とりあえず、大切なものぐらいは持っていこう。

大輝「(真珠貝のブローチ、短剣、お気に入りの本を数冊…)」

大切なものをトートバッグに入れ、肩に掛ける。

大輝「(そうだ。これも持っていかなきゃ)」

沈没船で見つけ、仕立て直してもらったルビーピンクのワンピース。

嶺亜に似合うと褒められ、これを着て音楽系のイベントで優勝した、思い入れのある服。

ルビーピンクのワンピースを畳んで、トランクに入れた。

大輝「(それと、懐中時計。動いていないけど、俺の大切な物だ)」

懐中時計もトランクに入れ、他に何か持っていく物が無いか確認する。

あっ、エレキギターと女王ファンテーヌから授かった、特別な楽器も。

エレキギターをケース、特別な楽器をトランクに入れ、部屋を出た。

もう、徐々に荒れてきている…!

俺も早く脱出しよう!

大輝「(さようなら…俺が住んでいた場所)」

肩に掛けたトートバッグと、

ギターケースとトランクを手に、

住処を離れていった…。


大輝「(戻ってこないつもりだった。でも…)」

アイツに占拠された上、住処を荒らしたんだ。

カイゼリン・セイレーンめ…。

泳ぎながら荒れている所を見ていると、

とんでもない光景を目にした。

大輝「(あれは…!)」

黒いクリスタル…のような物が、いくつも地面から出てきている。

気になった俺は泳いで、クリスタルに近づいた。

大輝「(クリスタルの中に人間が!?もしや、カイゼリン・セイレーンに引きずり込まれた人達(;゚д゚)!?)」

カイゼリン・セイレーンの手下だったルガン一族は、

捕食でもされたんじゃないかと言っていたけど、そんな事は無かった。

この人達を解放しなくちゃ!

俺はエレキギターを手にして弾くと、

ピンク色の音符を出し、クリスタルに向かって攻撃した。

大輝「(そんなバカな!いや、諦めるもんか!)」

エレキギターを弾き続け、

どんどんピンク色の音符を出して、

クリスタルを壊そうと攻撃していく。

しかし、クリスタルは壊れなかった。

大輝「(エレキギターじゃ、やっぱ無理か。だったら、特別な楽器で…)」

「無駄よ。私を倒さない限り、解放できない」

大輝「カイゼリン・セイレーン…!」

振り返らなくても、声ですぐに分かった。

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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年8月15日 22時

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