21-3 ページ4
大輝サイド
瑞稀はそう言うと、背負ったリュックと荷物が入ったトランクを持って、先に泳いでいった。
住処を離れるのは嫌だけど、俺も脱出しなきゃ…!
とりあえず、大切なものぐらいは持っていこう。
大輝「(真珠貝のブローチ、短剣、お気に入りの本を数冊…)」
大切なものをトートバッグに入れ、肩に掛ける。
大輝「(そうだ。これも持っていかなきゃ)」
沈没船で見つけ、仕立て直してもらったルビーピンクのワンピース。
嶺亜に似合うと褒められ、これを着て音楽系のイベントで優勝した、思い入れのある服。
ルビーピンクのワンピースを畳んで、トランクに入れた。
大輝「(それと、懐中時計。動いていないけど、俺の大切な物だ)」
懐中時計もトランクに入れ、他に何か持っていく物が無いか確認する。
あっ、エレキギターと女王ファンテーヌから授かった、特別な楽器も。
エレキギターをケース、特別な楽器をトランクに入れ、部屋を出た。
もう、徐々に荒れてきている…!
俺も早く脱出しよう!
大輝「(さようなら…俺が住んでいた場所)」
肩に掛けたトートバッグと、
ギターケースとトランクを手に、
住処を離れていった…。
大輝「(戻ってこないつもりだった。でも…)」
アイツに占拠された上、住処を荒らしたんだ。
カイゼリン・セイレーンめ…。
泳ぎながら荒れている所を見ていると、
とんでもない光景を目にした。
大輝「(あれは…!)」
黒いクリスタル…のような物が、いくつも地面から出てきている。
気になった俺は泳いで、クリスタルに近づいた。
大輝「(クリスタルの中に人間が!?もしや、カイゼリン・セイレーンに引きずり込まれた人達(;゚д゚)!?)」
カイゼリン・セイレーンの手下だったルガン一族は、
捕食でもされたんじゃないかと言っていたけど、そんな事は無かった。
この人達を解放しなくちゃ!
俺はエレキギターを手にして弾くと、
ピンク色の音符を出し、クリスタルに向かって攻撃した。
大輝「(そんなバカな!いや、諦めるもんか!)」
エレキギターを弾き続け、
どんどんピンク色の音符を出して、
クリスタルを壊そうと攻撃していく。
しかし、クリスタルは壊れなかった。
大輝「(エレキギターじゃ、やっぱ無理か。だったら、特別な楽器で…)」
「無駄よ。私を倒さない限り、解放できない」
大輝「カイゼリン・セイレーン…!」
振り返らなくても、声ですぐに分かった。
12人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年8月15日 22時