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大輝サイド
大我『大輝、落ち着いて聞いて。さっき、嶺亜が通っていた学校の先生に会ったんだ。高1の担任の先生で、その先生から聞いたんだよ。最初は信じなかったけど、後に嶺亜を担当している看護士さんから聞いて、本当だったんだ』
大輝「大我様、嶺亜は…」
俺が聞くと、大我様は少しの間黙ってから、低い声で言った。
大我『…嶺亜は、記憶喪失になったんだ』
大輝「えっ…( ; ゚Д゚)」
大我『信じられないかもだけど、本当なんだ』
嶺亜を担当している看護士さんによると、名前だけは分かっていたものの、
自分が何者である事や、どこの学校に通っていたか等、覚えていないそうだ。
男性看護士2人の会話は本当だったようだ。
大輝「いつ記憶が戻るか分からないんですか?」
大我『うん…最悪の場合、数年は掛かるかも(´・Д・`)』
大輝「そんな…何か対応策が必要ですね」
大我『今、樹が嶺亜の記憶を取り戻す方法を調べてくれている。それが分かったら知らせるって。すぐに思い出させたい気持ちは分かるけど、連絡が来るまで待ってほしい』
大輝「…分かりました」
大我『急に掛けてきてごめんね。でも、嶺亜の事だから、大輝には伝えなきゃと思ったから』
大輝「いえ、知らせてくれてありがとうございます。では、お休みなさい。大我様」
大我『うん、お休み』
通話を切ると、俺はしばらくの間、声も出ぬまま立ち尽くしたのだった…。
お風呂から出て、寝巻きに着替えて、
濡れた髪を拭きながらリビングに戻ると、
くまのキャラクターが散りばめられた寝巻きを着た大光が、スマホでゲームをしていた。
大光「おっ、お帰り…//(やべぇ、めっちゃそそるんだけど…)」
大輝「何(¬_¬)?」
大光「な、何でもないっす(^_^;)。髪、乾かしてやるよ(^^)」
大輝「いや、自分で乾かすから…」
大光は「いいからいいから!」と、
洗面所からドライヤーを持ってきて、
コンセントに繋げると、俺の後ろに回り込んで、
髪を乾かし始めた。
大光サイド
大輝の茶髪はキスしたくなる程、サラサラだ。
ずっと触れていたい。誰にも触らせたくない。
今日のあの子が着ている寝巻きは、
袖が膨らんだ長袖が特徴の白いシルクのワンピに、白いズボンだ。
冬の寝巻きも可愛すぎるだろ…//。
そんな可愛い彼女に見とれながら、ドライヤーで髪を乾かしていく。
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作者名:セーラーローズ | 作成日時:2023年8月15日 22時