狂犬と歌姫の条件 Part5 (ページ27)

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大輝サイド

レコードを変えて､蓄音機のスイッチを押すと､

今度はバラードでクラシック系の音楽が流れ出した｡

俺はというと､大光の手を取って社交ダンスをしている｡

腰に手を回されて引き寄せられて踊っているので､大光の顔がめっちゃ近い…//｡

大輝「(何で､こんなにときめくの…//)」

舞踏会にいるみたいで､映画のワンシーンを撮っているみたいで､

このまま時が止まればいいのに…と思ってしまう//｡

大光はステップも上手くて､俺をリードしてくれる｡

アイツは最初から俺を姫だと意識してるから(俺は気にしてないけど)､

今､目の前にいる大光は､いつもの破天荒な狂犬ではなく､

俺を迎えに来てくれた王子だった｡

大光サイド

あ～…幸せだぁ～…天国だぁ～…｡

なんて心の中で言いながら､バラードの音楽に合わせて彼女と踊る俺｡

じいちゃんは音楽を聴く他にも､社交ダンスが趣味だったと､父ちゃんが話していた｡

ダンススクールに通っていった時は社交ダンスは無かったから､

本とかDVDなどで､ほぼ独学で覚えたんだ｡

いつか恋人とこんな風に踊りたいなぁ～なんて思っていたら､叶っちゃうなんてね(^-^)｡

狂犬の大光､めっちゃ上機嫌(*^^*)｡

大光「(大輝の顔が近い…//｡ハズイけど､ずっとその綺麗な顔を見ていたいな…//)」

俺さ､実はガキの頃はめっちゃ人見知りだったのよ｡

それを心配した両親が､俺がダンスが好きなのを知って､

ダンススクールに通うことをすすめてくれたんだ｡

そりゃあ厳しかった事もあったけど､楽しくてやりがいがあったよ｡

でも､ある理由でやめちゃって…(´・Д・｀)｡

おっと､それはまた別の話な?

話に戻るけど､ダンスがキッカケで俺は変わってやる!って思ったわけよ｡

人見知りな自分を変えてやるって｡

どうだい?今の俺｡

人見知りも無くなったし､こんなに可愛い彼女がいる｡

俺は､大輝を失いたくない｡っていうか一生､失わせない｡

クールだけどマイペースで天然､でも笑った顔が愛くるしい｡

歌が上手くて､俺を癒す程の美声｡

あの子さえいれば､俺はいいんだ｡

大輝「大光｡音楽､終わったんだけど…(^_^;)」

大光「はいっΣ( ﾟДﾟ)!?」

やべぇ､つい大輝とダンスするのが楽しくて…｡

狂犬の大光､ハズイ…//｡

大輝「あはは…楽しかった｡ありがとう､大光(^-^)」

大光「ど､どういたしまして…俺こそ､ありがと…//」