20-9 ページ48
大輝サイド
涼が作ったクッキーを皆で分けあって食べ､
これからの話をして､プチ・パーティーは閉幕した｡
それから数日後｡俺は女王ファンテーヌに呼び出された｡
大輝「女王ファンテーヌ｡お呼びでしょうか…?」
女王ファンテーヌに話し掛けると､こちらにゆっくりと振り向いた｡
ファンテーヌ「大輝､よく来てくれました｡改めて､優勝おめでとう｡今日は､あなたに特別な楽器を授けます」
大輝「特別な楽器?(・・?)」
女王ファンテーヌは頷くと､1本の指揮棒を持ってきた｡
先端には､人魚を象ったガラス石が付いている｡
大輝「あの､失礼な事をお聞きしますが」
ファンテーヌ「あら?どうしたのですか?」
大輝「そもそも､指揮棒は楽器ではないかと…(ーー;)」
ファンテーヌ「確かに､指揮棒は楽器じゃないと言われていますね｡ですが､これは大昔にオンディーヌが作ったと言われている特別な楽器なのです」
あの水の精霊の…?
ファンテーヌ「オンディーヌが作った特別な楽器は3つ｡ハンドベル､ハープ､そしてタクト｡この3つは､いずれも悪しき闇を浄化すると言われています｡ハンドベルは大我､ハープは嶺亜に授けました」
大我様と嶺亜にも…?
ファンテーヌ「いずれも2人は､この楽器の持ち主に相応しいと感じたからです｡大輝､タクトはあなたに相応しいと感じ､授けることにしたのです」
大輝「…(´・Д・｀)」
ファンテーヌ「そんな顔をしないで｡大我も嶺亜も､特別な楽器を使いこなせるか不安になっていました｡でも､大丈夫｡彼らは使いこなせるようになったと､報告があったからです｡だから自信を持ち､自分を信じなさい｡大輝」
大輝「女王ファンテーヌ…」
ファンテーヌ「特に､そのタクトはオンディーヌが､とある一族の人魚への想いを込めて作ったそうですよ」
大輝「とある一族?(・・?)」
ファンテーヌ「えぇ｡その一族は…」
女王ファンテーヌから特別な楽器を授けられた後､俺は部屋に戻ってベッドに腰を掛けた｡
大輝「(聞いたことのない一族だったな｡それに､女王ファンテーヌも見たことないって言っていた)」
授けられた楽器を見つめ､訳が分からなくなった俺はベッドに横になる｡
この指揮棒､俺に使いこなせるのか｡女王ファンテーヌは何故､俺に授けたのか｡
分からない事だらけだ｡
それから数ヵ月後の3月､俺らの元に訃報が届いた｡
大輝「女王ファンテーヌが…亡くなった…( ; ﾟДﾟ)?」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 14人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年3月19日 13時
