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大輝サイド
嶺亜「それで俺､16才の年になったら人間の世界に行くって決めてる｡そのお方に会いに」
大輝「お前…正気?」
嶺亜「もう､この気持ちは止められないんだ｡だけど､瑞稀も他の仲間達も理解してくれないと思う｡だから俺､仲間達には芸術を極めに人間の世界に行くって伝える｡女王ファンテーヌにも､そう言うつもりだよ」
大輝「だけど､それは嘘なんだろ｡嘘は良くないって(ーー;)」
嶺亜「実は半分､本当｡俺､絵に興味を持ったんだ｡人間の世界で､絵を描くのを極めたいなって｡あと､スケボーもやってみたい｡人間の世界も悪くないって､兄さんが言っていた」
大輝「でも､俺ら一族の恋愛は…」
嶺亜「分かってるよ｡人間に告白したら3ヶ月間､キープなんだろ｡あの方が裏切る事はないって､信じてるから」
嶺亜は自信満々に言っていたけど､俺は心配だった｡
だって､俺らオンディーヌ一族は告白した人間と相思相愛になっても､
人間が裏切って他の相手と結ばれてしまったら､殺さなければいけないんだ｡
そして､自分も死んでしまう｡
こんな掟があっても当時､俺は気にしなかったけどな｡
嶺亜「さぁ､戻ろうぜ」
嶺亜が猛スピードで泳いでいったので､俺も慌てて後を追った｡
それから､音楽イベント当日…｡
大輝「(き､緊張してきた…(・_・;))」
瑞稀「おはよう､大輝(*^^*)!」
大輝「み､瑞稀Σ( ﾟДﾟ)!?」
俺と同じオンディーヌ一族の人魚､瑞稀がカーテンを開けて入ってきた｡
瑞稀は俺や嶺亜と同じ金髪で､赤い尾びれをした人魚だ｡
中性的で女子のような顔立ちをしており､
寝ることが大好きで起こそうとしても全く起きない事から､
『オンディーヌ一族の眠り姫』という異名を持っている｡
瑞稀も音楽イベントに出場する1人だ｡
瑞稀「どーしたんだよ｡自信なさげな顔して(^_^;)」
大輝「いや…(ーー;)」
瑞稀「自信持てって!嶺亜も言っていただろ｡あっ､そうそう!お前に渡したい物があるって｡嶺亜〜」
瑞稀が外に向かって呼ぶと､嶺亜が「おっは〜♪」と上機嫌で入ってきた｡
大輝「おはよ…」
嶺亜「いや〜､間に合って良かった!仕立てが得意な人魚に頼んで､正解だったよ｡はい､大輝にプレゼント(*^^*)!」
嶺亜は俺に近づくと､ある物を差し出した｡
大輝「これ､俺が見つけたワンピース…?綺麗にリメイクされてる」
ボロボロだったピンク色のワンピースは､穴は白いレースで塞がれ､裾は綺麗に縫ってある｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2023年3月19日 13時
