狂犬と歌姫の条件 Part4 (ページ30)

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大輝サイド

大輝「やってみなきゃ分からないだろ!出てこい､カイゼリン・セイレーン!」

俺の叫び声が､森の中にこだましていく｡

お巡りさん「はっ!そんなんじゃ女帝様は出てくるわけ…」

ザーーーーーッ!!(湖から出てくる音)

お巡りさん「えぇーっΣ( ﾟДﾟ)!?」

ルガン一族の男が驚愕すると同時に､湖から黒い尾びれの人魚が現れた｡

黒髪でビスチェ型のワンピドレスを纏い､素顔が見えない仮面｡

大輝「カイゼリン・セイレーン…!」

カイゼリン・セイレーン「呼ばれたと思えば､オンディーヌ一族の人魚じゃないの｡久しぶりね｡あれ?金髪にサーモンピンクの尾びれじゃない」

大輝「そんな事はどうでもいい｡また､街の人達を湖に引きずり込んで!人間達にこんな事して､どうする(｀ヘ´)!?」

カイゼリン・セイレーン「あんたには関係ないっしょ」

大輝「くっ…お前の好きにはさせない!」

カイゼリン・セイレーン「悪いけど､そーゆー訳にはいかないね｡(お巡りさんに)やっておしまい!」

お巡りさん「へい!」

カイゼリン・セイレーンに命じられた男は､俺に向かって籠手で引っ掻こうとしてきた｡

俺は咄嗟にかわすと､短剣を振りまくって男を追い詰めようと試みる｡

お巡りさん「こんなものか!?」

俺の短剣が当たらない!?コイツ､動きが素早いな…!

あの籠手に当たったら､非常に痛いから注意しないといけないな｡

ルガン一族は鮫の特性を持った人魚で､鮫は海のギャングという異名を持っている｡

大輝「(隙を見て､籠手を外す方法…よし!樹さんに改造してもらった､俺の楽器で…!)」

とりあえず､男から距離をとると背負っていたギターケースから､

エレキギターを出して､構えた｡

お巡りさん「ギターなんて出して､どうするつもりだ?」

大輝「こうするんだよ!!(エレキギターを低い音で弾く)」

すると､いくつものピンク色の音符が出てきて､

射撃のように､男に向かっていった｡

お巡りさん「そんなのアリ…どわぁぁぁっ(＞_＜)!!」

大輝「(よし､命中した!)俺の可愛いクラゲ達!あの籠手を外してくれ!」

エレキギターを中音で弾くと､クラゲ達が出てきて､

俺が指示すると､男の籠手にくっついた｡

お巡りさん「放せっ!このっ!このっ(｀ヘ´)!」

大輝「ビリビリに痺れろ!!(エレキギターを高音に弾く)」

お巡りさん「うがががっ!!シビレビレ…(＞_＜)!」

籠手にくっついているクラゲ達が電気を流し､

嵌められていた籠手がポロッと取れて落とした｡