狂犬と歌姫の条件～番外集～ (ページ8)

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大輝サイド

俺からだと余計に口が利かなくなるだろうからと､

代わりに高地さんがLINEして､

何も知らずにやって来た大光と､出前から帰ってきたジェシーさん｡

高地さんはすぐ出入り口前の扉に行って､

『臨時休業』の札を外に掛けた｡

高地「(小声で)大輝､準備はいい?」

大輝「(無言で頷く)」

高地「せーの…」

大輝&高地「ハッピーバレンタイン!!」

ジェシー「うぉっ!?バレンタインチョコ!?高地､俺に(ﾟ∀ﾟ*)!?」

大光「大輝…何で?(・・?)」

俺はラベンダー色の箱を大光に､高地さんはワインレッドの色の箱をジェシーさんに出した｡

ジェシーさんはめっちゃ嬉しそうだけど､大光はキョトンとした反応｡

アイツ､俺と喧嘩しちゃってバレンタインの手作りチョコなんて貰えないって､思っていたんだろうか｡

まずは､ちゃんと話さないと…｡

大輝「大光…その…この前は､ごめん｡俺がこの所､イライラしていたのは…バレンタインチョコが上手く作れなくて…大光が喜んでくれるか不安で…その…初めて作ったし…ヒック(T_T)」

悔しい想いが溢れてきて､涙が出てくる｡

大輝「お前の…事を…ちゃん…と…考えて…いなかっ…た…｡それに…大…光…はっ､イライラ…してる…俺を…心配してっ､くれたんだ…よね…｡それ…なのにっ…怒りを…ぶつけてっ､ごめん…ごめん…なさい…(T_T)」

泣き顔を見せたくなくて､思わず下を向いてしまう｡

大光「大輝…もう､泣くなよ｡気にしてねぇから…」

大輝「えっ…だけど…」

大光「イライラ顔の大輝は好きじゃない｡泣き顔の大輝も好きじゃない｡そんなの見たら､俺は悲しいよ｡大輝の笑顔が俺は好きだ｡大輝の手作りチョコ､楽しみにしていたんだ｡喧嘩しちゃったから､貰えないんだろうと思っていたけど…」

大輝「彼氏の喜ぶ顔の為なら､何だって挑戦するよ…さ､大光」

俺は涙を拭くと､改めてラベンダー色の箱を大光に差し出した｡

大輝「俺が作ったバレンタインチョコ､受け取ってほしい…//」

大光「お､おう…//」

大光は照れながら箱を受け取ると､すぐに開けた｡

大光「ハートのチョコクッキーじゃん!」

大輝「高地さんと一緒に作ったんだ｡上手くできたかな…//」

大光「美味しけりゃいいの!いっただきまーす!パクッ!もぐもぐ…」

ど､どうかな…｡

大光「美味っ!大輝の愛情が入ってるぜ(^^)♡」

大輝「ハズイ…(ーー;)」