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大輝サイド
それから､放課後…｡
大輝「ただいま…」
ジェシー「お帰…り?」
昼休みに大光と喧嘩してから､目も合わせず口も利かずの時間を過ごし､
どんよりした状態で､カフェに帰ってきた｡
アイツと初めて喧嘩したのは､俺が音楽コンテストに出場するのを黙っていた時の事だ｡
大光を喜ばせたくて､笑顔にさせたくて､当日まで内緒にしていた｡
でも､高地さんとジェシーさんがその事を大光に話してしまい､
事情を知った大光は許してくれて､仲直りした｡
仲直りする前､大光が湖に引きずり込まれた時は､物凄く焦ったけどな…(ーー;)｡
ジェシー「大輝､学校で何があっ…た…?」
大輝「…何でもないです｡そっとしてください(´・д・｀)」
顔も見ないで言うと､奥の部屋へと入っていった｡
高地「…」
自分の部屋に入って通学鞄を机に置き､制服から部屋着に着替えると､ベッドにダイブした｡
俺がイライラしている原因｡大光への本命チョコを作るのが上手くいかない事だ｡
数日間､スマホのレシピを見て､あれだけやっても失敗ばかり｡
お金も減ってきたし､板チョコも買えそうにない｡
アイツは俺を心配している事は分かっているのに､怒りをぶつけてしまったんだ｡
折角､大光と恋人同士になれたと言うのに…大光の彼女､失格か(´・Д・｀)｡
コンコンコン(ノックの音)｡
大輝「はい?」
高地『大輝､俺だけど｡入っていい?』
俺は「どうぞ」と答えると､高地さんが入ってきた｡
大輝「高地さん…」
高地「どうした?最近､様子がおかしいから気になっちゃって」
高地さんは「何があった?」と､ベッドに腰を掛ける｡
俺は高地さんに､大光の為にバレンタインチョコを作ってる事､
事前に作ってるけど全く上手くできなくてイライラし始めた事､
大光が心配してくれているのに､八つ当たりしてしまった事を話した｡
大輝「それで､また大光と喧嘩しちゃって…チョコも上手くいかないし…(´・д・｀)」
高地「大輝､最初から上手くいかないよ｡誰だって､得意不得意もあるし｡心がこもっていれば､何だって喜ぶよ｡それに…」
大輝「それに?」
高地「大事なのは相手を大切に想う事だよ､大輝」
相手を大切に想う事…｡
俺は大光が喜んでくれるか不安に思いながら､バレンタインチョコを作っていたのかもしれない｡
何しろ､初めて作るし､それで上手く出来なかったのかな…｡
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作者名：セーラーローズ | 作成日時：2024年1月22日 20時
