Episode 0 隼 ページ1
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隼side
「今日で中学卒業や〜〜！！」
「隼！この後クラスのみんなでご飯食べに行くんやけど来るやろ？？」
「うん、行く〜…けど、あれ？Aは？」
辺りを見回すと、みんな花束と卒業証書を持って
友達や後輩と話してる。
その中にAの姿はなかった。
「隼、行くで〜！」
「先行っとって〜！後で行くわ！」
階段を駆け上がり教室へ向かう
教室には数名の女子がいた。
「なぁ、A知らん？？」
「ついさっきまで話してたんやけど、どっか行ったよ」
あ、あそこや。
すぐに思い付いた場所がある
俺はまた階段を駆け上がり
そのいちばん奥にある重い扉を開けた
風が吹き付け、目を細める
その先にAを見つけたと同時に
胸がぎゅっと締め付けられる
「やっと見つけた」
俺に気づいたAは微笑んだ
「みんなご飯食べに行くって言ってたよ？隼は行かないの？」
「Aは行かへんの？」
「あたしはまだ、ここに居たいから」
そう言うAの横顔にドキッとする
卒業証書を持つ手に力がこもる
俺は今日、告白するって決めてる。
高校生になって
Aに彼氏できたらアカンから。
「なぁ、A」
「ん？」
「…俺、Aが好きやねん」
「ふふ、なに改まって！あたしも隼のことは好きだよ！」
「え、」
「あたしも隼のこと、大切な友達だと思ってるよ？」
「………あ、うん！そうやな！そうそう…」
俺が言いたいのはLIKEじゃなくてLOVEの方なんやけど…
「あたしとずっと友達でいてね？」
Aの俺を見る眼差しはまっすぐだった
…あぁ、俺のこと男として見てないんや。
ある意味、フラれたんや。俺は。
「………うん」
Aがそう言うんやったら
俺はAの友達でずっといるよ。
*
*
*
*
隣にいたAはもういない…
俺の、隣には…。
*
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作者名：夜ふかしちゃん | 作成日時：2018年2月12日 0時
