幼馴染みの隼くん。

Episode 37 ページ37

*




先に口を開いたのは佐野くんだった



「俺さぁ昨日からずーっと考えてたんだけど」


佐野くんの方を向くと佐野くんはまだ
前を向いたまま


「やっぱり…諦められねえのAのこと」


「…」


「諦めようって思っても、どんなに頑張っても
Aのこと嫌いになれねーの」


そしてあたしの方を向いて


「俺、Aのこと好きなんだよ」


そう言った佐野くんは昨日よりも
一段とかっこよく見えて

なによりもあたしの気持ちが
揺れてることに気づく



「寄り道なんかじゃなくて、俺が大切にするから。俺と付き合ってよ」


目が離せない


ドキドキして苦しくて





あたし…佐野くんのこと
好きになってる…？？





「俺もう、手加減しねーから」

そう言って近づく顔…

そして重なる唇…



少し唇を離してまたあたしに聞く

「付き合ってくれる？」

あたしが頷くとまた
今度は少し強く…でも優しく唇が重なる





あたし達は何度もキスをした



*

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