弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ7)

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52話ページ7

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それから私らの間には沈黙が流れる。

しっかりと繋がれた手を振り払うことも出来ず、

ただ家へと足を進める。

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ふと濵ちゃんの顔を見ると

何を思っとるのか月を見上げて真剣な顔。

不覚にも月に照らされた横顔にドキッとしてしまった。

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慌てて視線を逸らすと、

濵ちゃんは「なに？どしたん？」と私の顔を覗き込んでくる。

あかん、今の私の顔見たらあかん。

絶対赤いから。

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適当に誤魔化すと「ははっ、なんやなんや笑」と

笑ってまた月を見上げた。

久しぶりやから色々と心臓に悪いわ。

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それよりなんで濵ちゃんがここにおるん？

って疑問がまだ解けてへん。

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濵ちゃんも私のことをいじめとるのに、

優しく笑ってくれるし

明らか走って来たって言うのが分かるくらい息きれとるし、

私の手を繋ぐし。

濵ちゃんが何したいのか分からん。

頭が混乱しそうや。

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濵ちゃんといいしげといい

何がしたいか分からへん。

いつもメンバー悪口言うたり、

暴力奮ったりするくせに

他のメンバーがおらんかったら優しくしてくれる。

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何を思っとるん？

分からへんよ…っ。

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濵「 Aはさ、なんでジャニーズに入ったん？」

貴「 …え？」

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突然の濵ちゃんの言葉。

どういうこと？

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濵「いや、別に深い意味はないねん。

でも、前から思てた。

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ジャニーズって男だらけのとこやん？

なんぼジャニーさんにスカウトされたから言うても、

アンチに叩かれるのは目に見えてたはず。

やから、なんで入ったんやろなって」

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確かに、ジャニーズに入る前は

自分の中で色んなことを考えた。

人間関係上手いことやっていけるかな？とか、

アンチに叩かれるんちゃうかな？とか。

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でも、そん時に出会ったから。

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大好き“だった” ジャニーズWESTのメンバーに。

この出会いがなかったらきっと今、

私はここにおらんかった。

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そんくらいメンバーとの出会いは、

私の人生を大きく変えたんや。

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