弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ6)

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51話ページ6

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貴「 …え？」

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一緒に帰ろって…？

なんで？

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濵「暗いのに1人で帰ったら危ないやろ？

女の子なんやから用心せな」

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笑ってそう言うと私の隣に来てくれた。

え、なにこれ…

夢？

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頬を軽くつねるけど、痛い。

夢やなかったらなんで

こんなに濵ちゃんが優しくしてくれるん？

危ないから。って、

私のことが嫌いならほっとけばええのに。

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濵「どしたん？

立ち止まって。

行かへんの？」

貴「んえ！？

い、いえ、行きますっ！」

濵「んえって笑

よし、じゃあ行こっ！」

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濵ちゃんは私の顔を覗き込むように言うと、

笑って私の歩幅に合わせて歩く。

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濵ちゃんと一緒に歩くのって何年ぶりやろ？

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デビューしてすぐくらいに

2人で夜一緒に家まで歩いて帰ったことがある。

その日も月が綺麗な日やった。

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あの時はお互いのこれからの事とか、

メンバーの事とか語り合ってた。

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やっぱ昔から一緒におるから、

他のメンバーと一緒におる時間よりも、

濵ちゃん2人でとおる時間の方が好きやった。

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一緒におると落ち着くし、

言葉にせんでも相手の気持ちが分かるから

居心地が良かった。

それももう過去の話になりつつあるけどね。

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濵「月が綺麗やな」

貴「え？」

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突然濵ちゃんは空を見上げながらそう言った。

確かに今日は雲一つかかってない綺麗な満月。

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って濵ちゃんその言葉の意味分かっとるん？

…いや、濵ちゃんのことや。

純粋に綺麗な月見て言うとるだけやろうけど…笑

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不意に手が温かくなる。

濵ちゃんに手を握られたんや。

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濵「今日いつもより一段と冷え込むなぁ。

寒いからしばらく手貸して？」

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私が驚いてるのをお構いなしに

えへへ、と笑ってそう言った。

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濵ちゃんの顔が一瞬

悲しそうに見えたのは私の気のせい？

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