弱虫で、強虫な。 2【JWEST】 (ページ43)

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88話ページ43

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そう言うと泣き顔を見られたくないのか

濵田くんの肩に顔をうずめて嗚咽混じりの声で泣く。

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貴「私…もう諦…めようって…思ってたっ」

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貴「 4人で…デビューする …って聞いた時は、

『まだ私らにもチャンスはある』そう…思た。

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やけど…もうその思いも…薄れてき…よるねんっ。

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7人でデビューする事になったって聞いた時、

『ああ、もうどう頑張っても私はデビュー出来んねや』って。

やから

『デビューするみんなのこと応援しよ』

そう思ったけど…

思ったんやけど…っ。

やっぱそんな簡単に諦めれへんっ。

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私はみんなと一緒にデビューしたいっ」

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語尾を強めに言った。

きっとこれがAの本音。

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俺らは全然Aの気持ちを知らんかった。

分かっとるつもりでも、それは表面だけ。

内に秘めた苦しみなんて全然知らんかった。

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貴「ごめんっ」

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Aは濵田くんをトンっと突き放すと、

立ち上がって扉の方に向かう。

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あかん、行かんで。

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このまま帰したらAがおらんなる。

何故か俺の心がそう言うたような気がして。

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小「ちょっと待って」

貴「の…ん？」

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俺はAの腕を強く掴んだ。

驚いた顔で俺を見るAの顔には

まだ涙が溢れている。

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小「俺は何があっても8人でデビューする。

その気持ちは絶対にぶれへん。ぶらさへん。

やから、A。

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俺らと一緒にジャニーさんとこ行ってくれへんか？

俺らと一緒に直談判してくれへんか？」

「「「！？」」」

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デビュー出来る可能性はきっと 0％ではない。

8人でデビュー出来る可能性が 1% でもあるなら。

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俺はその可能性に賭けてみたくなった。

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